たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

『デューン砂の惑星』原作小説の魅力とは?あらすじシリーズ作品を解説

映画『デューン砂の惑星』が大きな話題を集めています。

原作は、フランク・ハーバートによるSF小説です。1965年に発表され、ヒューゴー賞やネビュラ賞を受賞しました。SFオールタイムベストの上位にくる作品で、「世界で最も売れたSF小説」と評されることもあります。2024年には、映画『デューン砂の惑星 PRAT2』が公開。

原作『デューン砂の惑星』はどのような内容なのか、解説していきたいと思います!

デューンシリーズとは?

砂漠の惑星アラキス、通称デューンを舞台としたシリーズ作品。デューンには、抗老化作用を持つ香料メランジが生産されていて、それを巡る物語になっています。

中心になるのは、レト・アトレイデス公爵の息子ポール。ドゥニ・ビルヌーブ監督の映画では、シャラメがポールを演じています。

原作は『デューン砂の惑星』からはじまり、壮大なSF叙事詩が展開されます。

  • 『デューン砂の惑星』(1965年)
  • 『デューン砂漠の救世主』(1969年)
  • 『デューン砂丘の子供たち』(1976年)
  • 『デューン砂漠の神皇帝』(1981年)
  • 『デューン砂漠の異端者』(1984年)
  • 『デューン砂丘の大聖堂』(1985年)

著者のフランク・ハーバートが亡くなったあと、息子であるブライアン・ハーバートがシリーズを継続させます。フランク・ハーバートは、数千ページに及ぶメモを残していたんですね。そこで、ブライアン・ハーバートは、作家のケヴィン・J・アンダースンとともに、前日譚を小説にしていきます。

  • 『デューンへの道 公家アトレイデ』
  • 『デューンへの道 公家ハルコンネン』
  • 『デューンへの道 公家コリノ』

アトレイデ、ハルコンネン、コリノ、それぞれの由来がわかるので、『デューン砂の惑星』の世界観が深まる内容となっています。

映画デューンと原作との関係

ドゥニ・ビルヌーブ監督の映画『デューン砂の惑星』PART1、PART2は、原作の『デューン砂の惑星』を映像化しています。

ビルヌーブ監督は映画を3部作で考えていて、PART3は『デューン砂漠の救世主』の第2部を映像化すると予測されています。

デューンシリーズはなぜ人気なのか?

デューンシリーズがすごいのは、現実を映し出していること。砂漠のエネルギーを奪い合うのは、中東をモチーフにしています。『アラビアのロレンス』をSF作品として落とし込んでいるんですね。

さらに、砂漠なのはなぜか?が大きな謎になっている。環境はひとつのシステムということ。惑星を生態系として見る発想がものすごく新しかったわけです。

メランジで人間の意識を拡張するのは、ドラッグをモチーフにしています。

それだけ時代の気分にもマッチしていたといえます。

デューンシリーズの映像化

デューンシリーズはさまざまな映像化の話が立ち上がるものの、実現が困難な作品とされていました。

アレハンドロ・ホドロフスキーを始め多くの人が映像化を挫折しています。1984年にデイヴィッド・リンチ監督によって初めて映像化されましたが、原作の魅力を描くことはできませんでした。忠実に描こうとしすぎたことと、ファンに寄り添いすぎたことが原因とされています。

2000年代にテレビドラマシリーズ化されたときは、『デューン 砂丘の子供たち』までが映像化されました。

おもしろいのは、映像化が頓挫した話がドキュメンタリー作品になっていること。『ホドロフスキーのDUNE』は、その顛末を克明にたどった映画になっています。

そして2021年にドゥニ・ビルヌーブ監督によって『デューン 砂の惑星』として映画化。第94回アカデミー賞では作品賞をはじめ、6部門を受賞しました。2024年には『デューン 砂の惑星 PART2』が公開。ようやく原作の魅力を映像化できたといえる作品に仕上がっています。

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デューンシリーズあらすじ

デューンシリーズそれぞれのあらすじを見ていきます。

『デューン砂の惑星』上中下

レト・アトレイデス公爵は砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは、通称デューンと呼ばれていた。そこには抗老化作用を持つ香料メランジが生産されていた。しかし、それはハルコンネン家と皇帝による陰謀だった…。息子のポールの命も狙われることに。

『デューン砂漠の救世主』上下

ポールが帝座について12年。旧勢力であるベネ・ゲセリット結社、宇宙協会、ベネ・トライラックスが、陰謀を巡らせる…。

『デューン砂丘の子供たち』上下

ポールが砂漠に去ってから10年。ポールの遺児レトとガニマは、メランジが産出されなくなる可能性に気づく。砂の惑星が緑化したことで、砂虫がいなくなってしまったことが原因だった…。そこにコリノ家が、支配権を狙って動いてた。

『デューン砂漠の神皇帝』123

レト二世の即位から3500年、宇宙は「レトの平和」と呼ばれる平和と停滞を強いられ、アラキスは完全に水と緑の惑星と化していた。「神皇帝」レト二世は半ば砂虫と化しており、その人間性は失われつつあった。

『デューン砂漠の異端者』123

レト二世の崩御から1500年。新たな勢力がやってくる。また砂の惑星となっていたアラキスに、砂虫を操れる少女が現れた。

『デューン砂丘の大聖堂』123

「誇りある女たち」の攻撃によってラキスは壊滅状態に。「ベネ・ゲセリット」の大聖堂惑星が、第2のデューンになろうとしていた。「ベネ・ゲセリット」と「誇りある女たち」の対立は激化していく…。

『デューンへの道 公家アトレイデ』123

ポールの祖父ポウルス・アトレイデの時代。ポールの父レト・アトレイデは15歳。アトレイデ家の母星であるカラダンでなにが起こっていたのか。

『デューンへの道 公家ハルコンネン』123

さらに10年後、レトとジェシカの出会いが描かれる。そして宿敵ハルコンネン家の陰謀が迫る…。

『デューンへの道 公家コリノ』123

コリノ家の陰謀が描かれる。デューン砂の惑星の前日譚3部作が完結。

デューンシリーズの魅力にどっぷりハマる

映画から興味を持ったなら、ぜひ原作も読んでみてほしいと思います! ドゥニ・ビルヌーブの映画『デューン砂の惑星』は見事な出来になっています。さらに楽しむためにも、原作を読むことで、その世界観の深みを感じることができるはず。

「ブラック・ショーマンシリーズ」どの順番で読むべき?あらすじ紹介

東野圭吾の新たなシリーズとして注目を浴びているのが、「ブラック・ショーマン」シリーズです!

  • 『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』
  • 『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』

の2作が刊行されています。

とにかく探偵役のマジシャンのキャラが立っているんですね。犯人を追うために、容疑者も警察も煙に巻く。いやぁ、このキャラクターを堪能するだけでも楽しいんです。

「ブラック・ショーマン」シリーズの魅力やあらすじについて、ネタバレで紹介していきます!

「ブラック・ショーマン」シリーズとは?

探偵役・神尾武史が活躍するシリーズです。

神尾武史は、アメリカでマジシャンとして活躍し、人の心を巧みにあやつっていきます。一見、空気を読めない人物と思われるものの、実は緻密に計算された心理術を操っているんですね。このギャップがいいんです。

真相にたどり着くころには、ブラック・ショーマンの魅力にとりこになっていること間違いなし!

「ブラック・ショーマン」シリーズ 読む順番は?

ブラック・ショーマンシリーズは、これまで2冊になります。

  • 1作目『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』長編(2020年刊行)
  • 2作目『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』短編(2024年刊行)

読む順番としては、やはり『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』からがおすすめです。

ただ、短編集の『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』から読むのもありです。短編からでも入りやすい内容になっています。

しっかり堪能したいなら、1作目『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』から。

試し読みしたいなら、2作目『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』からでもいいでしょう。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』あらすじ

名もなき町、どこにでもあるありふれた観光の町で起きた殺人事件。

主人公の神尾真世は、結婚を控えている最中に、ある殺人事件に巻き込まれて、町に舞い戻ることになります。真世は、マジシャンで叔父の神尾武史と共に、真相を明らかにしようと決意します。

この武史は、マジシャンらしからぬワイルドな性格で、口八丁手八丁の詐欺師のような手腕を持っているんですね。彼は証拠を掴むためにさまざまな手段を駆使し、事件の真相を追求していきます、

「俺は自分の手で警察より先に犯人を捕まえたいと思っている」

魅力ある探偵役とともに、意外な真相が明かされていきます!

lee578.hatenablog.com

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』あらすじ

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』は、全6編の短編集!それぞれのあらすじをネタバレなしで紹介していきます。

  • 「トラップハンド」ハワイに別荘を持っているという金持ちの男性、玉の輿を狙う女性。あるバーでの2人の会話は意外な展開へ。
  • 「リノベの女」兄は、妹に会うなり「あんたは偽物だ」と言い出す。果たしてウソをついているのはどちらなのか?
  • 「マボロシの女」サックス奏者の恋人が不運な事故で亡くなる…。恋人には多くの謎があった。
  • 「相続人を宿す女」リフォームをやめた老夫婦。いったいなぜ?
  • 「続・リノベの女」認知症を患っている母は、自殺した娘は死んでないと言い出す。ボケているだけと思いきや…。
  • 「査定する女」ここで最初の「トラップハンド」に登場した女性にフォーカスが当たる。さすがの仕掛け。

lee578.hatenablog.com

「ブラック・ショーマン」シリーズをいまのうちに!

「ブラック・ショーマン」シリーズは、東野圭吾もこの探偵が気に入っていて、今後も続編が描かれる可能性が高そう。さらに、映像化も間違いないでしょう!

いまのうちに、ぜひ「ブラック・ショーマン」の世界を小説で堪能してほしいと思います!

【解説】金持ち父さんシリーズ8冊からお金について徹底的に学ぶ

金持ち父さんシリーズ!

全世界4000万部を突破、日本410万部突破のロングセラー。お金本の知識が詰まったシリーズです。

改訂版として出ている本を中心に紹介しながら、金持ち父さんシリーズで大事なエッセンスを抽出してみたいと思います!お金について学んでいきましょう。

www.chikumashobo.co.jp

『金持ち父さん 貧乏父さん』

金持ち父さんシリーズはここからはじまりました! 基礎的な要素が詰まっているので、しっかり読んでおきたいところ。

まずお金持ちになりたいなら、「資産」と「負債」を知ることが大事。

  • 資産=毎月、自分のポケットに入るもの
  • 負債=毎月、自分のポケットから出ていくもの

資産には、株(債権)、家賃が入ってくる不動産、著作権・特許権ビジネスがある。負債は、住宅ローン支払いや、車(ガソリン代・車検・駐車場代)がかかるわけです。

ラットレースがはじまるということです。65歳までハムスターのようにローン返済のために働き続けることになるわけです…。

そのために、家や高級車を買うのは、資産で買えるようになってから。それまでは、ほかの誰かが住む家を買い、株に投資し、会社ではなく自分のビジネスを作るために必死で働くこと。

ほかにもお金について考えるうえで、大事なことだらけです!

『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』

キャッシュフロー・クワドラントにフォーカスした1冊。

お金持ちになるための原理・原則で、サラリーマンになっていてもお金持ちになれないというんですね。お金の稼ぎ方を4つに分けるとすると…

  • E従業員
  • S自営業
  • Bビジネスオーナー
  • I投資家

に分けられます。それぞれ解説していきましょう。

■従業員:サラリーマン、公務員、アルバイト。安定はしているが多く稼ぐことはできません。雇われることで稼いでいる人たち。マインドとしては、安定、福利厚生、保険を好む傾向があります。

■自営業:個人事業主ですね。中小企業の社長、医者、弁護士、会計士。働いた分だけパフォーマンス分稼げるというわけです。ただ、自分が働かないといけないので、限界があるんですね。マインドは、人に使われたくない、自分の能力でなんとかしたい、自分で人生をコントロールしたいというもの。なお、FXデイトレーダーや、ブロガー、ユーチューバーもここに入ります。

■ビジネスオーナー:人を働かせ、仕組みを作り稼ぐ。会社経営者や印税で稼ぐ人ですね。立ち上げのとき、仕組みづくりのときだけがんばる必要がありますが、その後は収益が膨らんでいくんです。マインドは。自分が働くのではなく、自分より優秀な人材に働いてもらうというもの。

■投資家:自分が持っているお金を投資して稼ぐ人のこと。これは、他人の時間、他人のビジネスで稼ぐということになります。自分の時間はまったく消費しません。

で、本書では右側(ビジネスオーナー、投資家)に行け!と言います。左側(従業員、自営業)は、時間の限界があります。左側でウロチョロしてもお金持ちになれないんですね。

自分のビジネスで収益をもらえるようになること。そして、ビジネスオーナーになるために、自分でできることを構築していくわけです。

『金持ち父さんの投資ガイド 入門編』

投資について特化したガイド本です!

入門編は投資家になる心がまえができているか?について、まとめています。投資は運の要素が強いという認識があるが、そうではありません。

投資は危険、というのは、まったくの幻想。大事なのは、投資プランがあるかということなんですね。この投資先がいいよ、と誰からに言われて、そのままはじめるのは、ギャンブルです。自分で勉強をして、投資先を選ぶ必要があります。

投資リスクについては、もちろんあります。なぜなら、すべてをコントロールできないから。だからできるだけコントロールできることは、コントロールしていきます。

たとえば、自分の感情です。さらにお金にまつわるスキルを上げることはできます。具体的には、財務諸表を読むスキルを身につけよと、強く推奨しています。

『金持ち父さんの投資ガイド 上級編』

投資ガイドのレッスンには、5つのステージがあります。

  • 第1ステージ:投資家になる心がまえはできているか?
  • 第2ステージ:どのタイプの投資家になりたいか?
  • 第3ステージ:しっかりしたビジネスを作り上げる
  • 第4ステージ:洗練された投資家になる
  • 第5ステージ:富を還元する

入門編は第1ステージだったんですね。上級編は、第2ステージから第5ステージまでを解説しています。要は、起業家精神を身につけることが大事なんですね。

お金には「90:10の法則」があるといいます。お金持ちは、90%のお金を持っている。その違いは、3つのEを持っているかどうか。

  1. 教育
  2. 経験
  3. ありあまるお金

この3つがあることで、お金持ちサイクルが生まれるのです。

そして投資家は5つのタイプに分かれます。

  1. 適格投資家:収入が多く資産がある、ありあまるお金のみを持つ
  2. 専門投資家:お金の教育をしている、トレーダーなど
  3. 洗練された投資家:専門投資家に加え、お金に関する法律に詳しい人
  4. インサイド投資家:投資の内側で、経営上のコントロール力を持っている人
  5. 究極の投資家:世界的な企業を起こした人たち

このなかでインサイド投資家を目指すべきだとしています。そう、ビジネスを起こせ!ということです。いまはアイデアだけでも、ビジネスができる時代。自分でビジネスをする前提で、動いていこうというわけです。

『金持ち父さんの子供はみんな天才』

金持ち父さんは、かなり子ども教育への熱が高いんですね。なぜなら、いまの学校教育に弊害があるから。大事にしたいのは「子どもの好奇心を守ること」です。

いまの学校教育はいい学校に入ることを目指すようになっています。これは、優秀な従業員やスペシャリストを育てるためのシステムなんですね。

人生の勝利の方程式を理解することを推奨します。

  • 学習の方程式:興味があるものを見つけ、自分に合った学習法で学ぶ
  • 仕事の方程式:日々変化する社会で、自分をすばやく変化・学習する能力
  • お金の方程式:お金のために働くのではなく、お金を自分のために働かせる

とくにお金の方程式は、学校では習わないため、「資産と負債の違いを理解する」「実際に経験させる」「宿題をする」といった環境を与えてあげる。宿題をするは、お金を働かせるアイデアを見つけることを自分でやってみるというわけです。

『金持ち父さんの起業する前に読む本』

本書では、ビジネスで成功するための10のレッスンが紹介されていきます。

  1. ビジネスがはじまる前から勝負ははじまる:計画を練ってビジネスを設計する
  2. 不運を幸運に変える方法:ビジネスはじめて失敗して学ぶ
  3. ジョブ(会社のための仕事)とワーク(自分のための仕事)の違いを知る
  4. 成功が失敗をあばく
  5. ゴールよりプロセスが大事
  6. 最良の答えは頭の中ではなく心の中:使命があるかどうか
  7. 使命の大きさが製品を決める
  8. ほかの会社ができないことをやる
  9. 安売り競争に参加するな
  10. いつ会社を辞めるべきか?

BIトライアングルで、5つ(製品、法律、システム、コミュニケーション、キャッシュ・フロー)を見ながら、ビジネスをチェックしていきます。かなり具体的なアドバイスがまとまっていますので、起業を考えるなら、読んでおいて損はないと思います!

『金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法』

若くして豊かに引退する方法。いまでいうFIREの方法と言っていいでしょう。ロバート・キヨサキの体験談から、その方法を解説します。

本書は分厚いのですが、知っておきたいのは、レバレッジという考え方です。

レバレッジによって、自己資本は少なくても大きな資本を得られます。金持ちになれるかどうかはレバレッジを使えるかどうかに影響するというわけです。

具体的なレバレッジはというと…

  1. 借金:借金にもよい借金もある、悪い借金もある
  2. ビジネス:他人の時間をレバレッジとして使う
  3. 健康
  4. 教育
  5. 人間関係

お金がない人によって大事な3つのレバレッジとしては、「頭脳のレバレッジ」「プランのレバレッジ」「行動のレバレッジ」を紹介しています。

レバレッジは、所持金だけではなく、たとえば不動産を担保に借金して不動産を買うことも該当します。それによって、どんどんレバレッジをきかせて、お金を膨らませていくわけです。

「どうやったら、今私がやっていることをより多くの人に、より少ない労働で、より安く提供できるか?」ということを念頭に置いて、考えていくわけですね。

『金持ち父さんのファイナンシャルIQ』

ファイナンシャルIQとは、お金持ちになるための考え方ですね。

  1. より多くを稼ぐ
  2. お金を守る
  3. 予算を立てる
  4. レバレッジを効かせる
  5. 情報の質を上げる

についてしっかり解説しています。自分が稼ぐにはなにをすればいいのか? 人間の知能はさまざまなことがあります。そのなかから、強みだと思うことを割り出していきます。

  • 言語的知能
  • 論理数学的知能
  • 音楽的知能
  • 身体運動的知能
  • 空間的知能
  • 対人的知能
  • 内省的知能

学校教育は、言語的知能、論理数学的知能を重視しすぎている。だから、バイアスがかかっている可能性もあるので、その点は決めつけをしないようにしてください。

お金を守るには、官僚、銀行家、営業マン、結婚相手などに気をつける。中流以下は勤労所得で、富裕層はポートフォリオ所得と不労所得で稼いでいるんですね。

黒字は支出にしろ、というのも押さえておきたい考え方です。貯金は支出だと思うべきだと。未来の自分に払うために、自己への成長や投資にお金を使えているか、チェックすべきだというのです。

お金本の原典ともいえる内容が詰まっている

お金教育について、どこかで聞いたことがあるかもしれませんが、金持ち父さんシリーズはそれだけお金本の原典ともいえるほど、スタンダードになっているんですね。それも先見の明があったからだと思います。

ぜひ気になる本から手にとって、お金と向き合う機会にしてみてください。

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』あらすじ・ネタバレ紹介!(東野圭吾)

東野圭吾の『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』。

ブラック・ショーマンシリーズの第2弾が発売! とにかく探偵役が魅力あるシリーズになっています。

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』について、あらすじ・ネタバレ紹介をしていこうと思います。

ちなみに「リノベの女」「続リノベの女」は、泣けるミステリーとなっているので、マストで読んでほしいです!

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』あらすじ

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』は、全6編の短編集になります!それぞれのあらすじをネタバレなしで紹介していきます。

トラップハンド

ハワイに別荘を持っているという金持ちの男性。玉の輿を狙う女性。あるバーでの2人の会話から、物語ははじまります。

美菜は仕事のこと、自宅のこと、別荘のことなど、事細かく聞いていきます。清川は、ITビジネスをやっていると答えます。

清川がトイレに立った後、バーのマスターが女性に伝えたこととは?

バーの名前はトラップハンド。マスターはもちろん本シリーズの探偵。

短い話ながら、スマートな展開で、ブラック・ショーマンの幕開けという気持ちにさせてくれます!

リノベの女

真世は、上松和美からリノベーションの依頼を受ける。武史のトラップハンドで、詳細を話すことに。

和美には、上松孝吉という資産家の亡き夫がいた。

そして和美から、兄と会うので、トラップハンドを貸してほしいと相談されます。

その兄は、和美に会うなり「あんたは偽物だ」と言い出します。和美は一笑に付します。

果たしてウソをついているのはどちらなのか?

真世と武史のやり取りが、いいんですね。マジメな真世と、なんでもありな武史。本シリーズの魅力になってます!

マボロシの女

柚希は、サックス奏者の恋人・高藤智也を不運な事故で亡くします。

しかし智也には、柚希の知らない謎があった…。

ストーリーはシンプルですが、誰が誰のために動いたのかが明かされたとき、心が温かくなる物語になっています。

相続人を宿す女

急にリフォームをやめた老夫婦。いったいなぜ?

事故で亡くなった息子が住んでいたマンションの一室をリフォームしようとしていたんですね。

それが、息子の離婚した妻が、息子との子どもを宿していると訴えてきたわけです。

タイトルどおりにかなり奇想天外でありながら、法律上はあり得るという展開は、さすがすぎます!

続・リノベの女

リノベの女の続編。

毒親の母視点での物語。軽度の認知症を患っている末永久子は、自殺した娘は死んでないと言い出します。ボケているだけと思いきや…。

あまりにも切ないです。こういう話を描くのが、東野圭吾のすごさであり、登場人物へのやさしい視点なんだと思います。

査定する女

ここで最初の「トラップハンド」に登場した陣内美菜にフォーカスが当たります。美菜にようやくおめがねに叶った男性が現れるのです。

各作品にチラホラ登場していた美菜の背景が見えてくる。ゆるやかなつながりを見せて、あざやかな幕引き!

派手さもあってエンタメ感がある内容になってます。

『ブラック・ショーマンと覚醒する女たち』ネタバレ

それぞれネタバレありで、紹介していきます!

トラップハンド

清川は、金持ちではなかった。ハワイの別荘写真から、バーのマスターが見抜きます。別荘の写真が広角レンズで撮影されていたんですね。清川のスマートフォンは、広角撮影ができないものだった。

ブルーハワイに睡眠薬を入れていて、美菜を眠らせて襲おうとしていた。バーのマスターにより、睡眠薬は清川が飲むことに。

清川は『幻脳ラビリンス』のゲーム化にも携わっていると話しながら、眠くなりトイレへ…

悪党をこらしめる構図で、なかなか爽快です!

リノベの女

驚きの連続!

和美の実兄・ 竹内祐作が言っていたことが本当でした。和美は本物ではなかったのです。

武史も早々に見抜きます。理由は、和美夫婦と武史がいっしょに写ったニセモノ写真を、和美はすんなり受け入れたこと。

莫大な遺産を狙ったなりすまし犯罪かと思いきや…。

真相はそっくりな2人が計画して、同意のもとに入れ替わったことが明かされます。

本物の和美は、重い疾患により、余命がないことがわかります。このままでは遺産が、兄と父に渡ってしまう。和美は、13歳のころ、兄の差し金で男たちに襲われます。そのことを恨んでいたんですね。

たまたま立ち寄った本屋で、自分そっくりの女性・ 末永奈々恵に出会い、入れ替わりをお願いしたのです。

奈々恵には、束縛する母親から逃れたいという思いがあり、交渉は成立。入れ替わりを実行することになったのでした。

本物の和美は、奈々恵として奈々恵の部屋で、服毒自殺をします。

そして入れ替わった和美は、マンションの部屋を人生とともに、リノベーションするのでした。

兄が訪ねてきたときのやり取りは、グッとつかまされました。謎の提示が、うまい。真相までは少々複雑化していきますが、入れ替わりが悪どい犯罪かと思いきや、入れ替わる2人の友情が芽生え、どうしようもなかったと思わせるのは、さすがの展開!

マボロシの女

高藤には、妻がいるうえに、逗子でまた違う女性と会っていたことがわかります。

その女性は、トランスジェンダーの息子が扮装していたと、柚希は妻から明かされます。

しかし、それはすべて、柚希の親友である弥生が仕組んだこと。

柚希を立ち直らせるために、別の女性がいたことにしたかったが、神尾から息子という案を提示された。親子の絆には入れなかったと思えればいいという計算があった。

柚希が、息子の演奏動画を見たことで、すべてを明かすことに。

ブラッディマリーのように血を流したとしても、親友を救いたい。弥生の熱い友情を感じる結末でした。

相続人を宿す女

遥人と沙智の結婚生活は破綻していて、それぞれ別のパートナーがいた。

沙智は、妊娠しているが、遥人との子どもだと主張します。

強欲だと思いきや、産まれてくる子は、無脳症なのがわかっていたことがわかります。遥人の妹であり、紗智の親友でもある文香の子どもは、心臓移植が必要だったんですね。産まれてくる子の心臓を使ってほしい。ただ移植先を選べるのは、親族である必要がある。そのことから、沙智は遥人との子どもだと、ウソをついたのです。

法律上の知識とミステリーをあわせた展開に、うならされます。ただの悪人ではないのも、いいんですよね。

続・リノベの女

末永久子の疑いを晴らすために、武史と真世が動きます。

介護施設に、マジシャンとして潜入します。末永久子と奈々恵との交流には、思わず涙…。正体は明かせない、これが最後になるかもしれない。仮面をつけたまま、奈々恵は、久子の肩を揉み、つかの間のいっしょの時間を過ごします。あんなに高圧的だった母のちがう顔を見ることになるのです。

査定する女

美菜に好意を寄せる栗塚は、ホンモノのお金持ち。武史のおすみつきをもらいます。

そしてバーにしていたベレー帽の男・ 大瀬が、美菜をスカウトします。美菜は女優を夢見ていて、一度はあきらめたんですね。

美菜は玉のこしではなく、女優になる夢を求めて、アメリカに渡ることに。

実は、栗塚もはじめからだます側。美菜が本当に女優になる覚悟があるのか、試していたんですね。

美菜という女性がまた違って見えてきて、あざやかな感動をもらえます!

ブラック・ショーマンの世界観が広がる!

  ブラック・ショーマンは、長編のじわじわと真相を迫る感じも好きでしたが、短編のほうが合ってるかも!?

ちょっとしただましのテクニックと、種明かしが、テンポいいんですね。

映像化、ドラマ化が間違いないことも、短編を読むとわかります!

ぜひこのタイミングで、ブラック・ショーマンの世界を堪能してほしいと思います!

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』あらすじ・ネタバレ紹介!【東野圭吾】

東野圭吾の『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』!

新たなシリーズ作品として注目を集めています。とにかく探偵役が魅力あるんですね。『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』について、あらすじ・ネタバレ紹介をしていこうと思います。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』あらすじ

名もなき町、どこにでもあるありふれた観光の町で起きた殺人事件。

かつての同級生が描いた大ヒット漫画で町おこしをしようと計画しますが、コロナの影響で計画は頓挫してしまいます。主人公の神尾真世は、結婚を控えている最中に、ある殺人事件に巻き込まれて、町に舞い戻ることになります。真世は、マジシャンで叔父の神尾武史と共に、真相を明らかにしようと決意します。

この武史は、マジシャンらしからぬワイルドな性格で、口八丁手八丁の詐欺師のような手腕を持っているんですね。彼は証拠を掴むためにさまざまな手段を駆使し、事件の真相を追求していく。

「俺は自分の手で警察より先に犯人を捕まえたいと思っている」

魅力ある探偵役とともに、意外な真相が明かされていきます。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』登場人物

  • 神尾真世:主人公。建築会社勤務。
  • 神尾武史:神尾英一の弟。サムライゼンという名前で、アメリカでマジシャンとして活躍していたことがある。
  • 神尾英一:元中学校の教師。真世の父。武史の兄。
  • 中条健太:真世の婚約者。建築会社勤務。
  • 針宮克樹:マンガ「幻脳ラビリンス」の作者。
  • 津久見:真世の同級生で釘宮の親友。中学時代に白血病で死去。
  • 桃子:真世の中学の同級生。
  • 良輔:桃子の夫。桃子より年上だが、英一の教え子でもある。
  • 原口浩平:桃子と同級生で英一の教え子。酒屋を営む。
  • 柏木広大:地元の建築会社の副社長。「幻脳ラビリンス」を利用して町おこしを計画していた。
  • 九重梨々香:真世の同級生。大手広告代理店勤務。
釘宮のマネージャーとして動く。
  • 杉下:真世の同級生。IT企業経営者。
  • 牧原悟:真世の同級生。
地方銀行の行員。
  • 沼川:真世の同級生。
地元で居酒屋経営している。
  • 森脇敦美:英一の教え子。父親は有名な実業家。

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』ネタバレ解説

ここからは、『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』についてネタバレで解説していきます。

起︰殺人事件が起こる

さびれた町で、ある殺人事件が起こります。殺されたのは元教師の神尾英一。殺害方法は、タオルによる絞殺でした。

そして英一の娘である真世は、結婚を控えていました。しかし、父親の訃報によって、地元へ帰ることになります。

同時に地元では同窓会が計画されていたため、続々と同級生が集まっていました。その誰もがあやしい動きを見せていることがわかってきます。

承:探偵あらわる!

探偵役になるのは、マジシャンでもある神尾武史。被害者の英一の弟でもあります。

かなり人を食ったような大胆なはったりで、真相を暴いていきます。警察をもあざむいて、スマホの画面や履歴を見ることなんて朝飯前。さまざまな情報を集めていきます。

この武史と真世とのタッグが、事件の真相を追跡していきます。

転:かつての同級生が容疑者!

事件の裏側には、かつての同級生たちの姿がチラホラ見えてきます。全員が容疑者。

そしてマンガ「幻脳ラビリンス」を町おこしに利用として、いろいろな計画があったことがわかってきます。時系列としては以下になります。

  • 2月24日(水) 桃子、英一の家へ。津久見直也の追悼会で英一はサプライズを予定していた
  • 2月25日(木) ココリカと釘宮、英一の家へ。柏木対策
  • 2月27日(土) 杉下が英一に挨拶の電話。東京のホテルについて英一から尋ねられる
  • 3月1日(月) 同窓会の打ち合わせ(桃子、杉下、牧原、沼川)
  • 3月6日(土) 英一、上京して午後六時に東京キングダムホテルに行く。午後11時帰宅、直後に殺害される
  • 3月7日(日) 原口が英一に何度も電話するがつながらず
  • 3月8日(月) 原口が英一の死体発見

結:黒い魔術師が明かした真相…

武史が、関係者を集めて、真相を究明することに。はじめは亡くなった兄の姿に扮装するんですね。兄と同級生たちとのやりとりを再現してほしいと依頼していきます。

そこから、上着を脱いで、真っ黒なシャツ、スラックスも黒、全身が黒ずくめになるんですね。

「真相が明かされるときがきた」

これが黒い魔術師としての見せ場になります!

牧原は英一の遺影を見れなかったとして、問い詰められます。森脇が資産をまとめて1億円を集めていた。慈善団体に寄付したいと言っていて、「幻ラビ・ハウス」への出資を持ちかけたんですね。しかし、森脇はコロナで死亡。「幻ラビ・ハウス」の計画もとん挫してしまいます。「幻脳ラビリンス」を利用しようとしてうまくいかなかっただけ。

九重は、杉下と不倫関係だったことが発覚。釘宮からの好意を利用していただけで、そのあたりが露骨だったことがわかりました。

そして英一を殺害したのは…

針宮克樹だったことが判明します。

「幻脳ラビリンス」のアイデアは、津久見のものだったんですね。英一は、ふたりの感動話だとして同窓会で明かそうとしたんです。そのときは説得できたものの、釘宮はおびえてしまう。

後日、英一の部屋にあった津久見の手紙を燃やそうとするものの、見つかってしまい、殺害してしまったんですね。

東野圭吾の新たなシリーズ作品!

『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』は、コロナ設定もありながら、しっかりミステリー作品になっている作品。

そしてなにより東野圭吾の新たなシリーズ作になり、もちろん映像化もされるでしょう。探偵役の武史が魅力的ですので、ぜひぜひチェックしてほしいです!

2024年本屋大賞おすすめ本!ノミネート作品の魅力を解説

2024年の本屋大賞ノミネート作品が発表されました!

どのような作品がノミネートされているのでしょうか。それぞれの作品の魅力を含めて紹介していきます!

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2024年本屋大賞 ノミネート作品

『黄色い家』川上未映子

川上未映子が本屋大賞初ノミネートです!

17歳の花が母親と2人暮らし。裕福ではないけど件名に生きてきた。母親の友人・黄美子とつながりが生まれて、黄色い家でいっしょに暮らすことに。そこにはさまざまな環境の女性が集まっています。そして、女性たちはカード犯罪に手を染めてしまうのです…

読み始めたら止まらない。グイグイ引き込まれる作品です!

『君が手にするはずだった黄金について』小川哲

著者自信を彷彿とさせる主人公が、あやしい人物と出会う連作短編集。成功と承認を渇望する人々の虚実を描く作品です!

著者の小川哲さんは、『地図と拳』で直木賞受賞!『君のクイズ』で2023年の本屋大賞にノミネートされています。

いま乗りに乗っているわけで、ぜひ読んでおきたい!

『水車小屋のネネ』津村記久子

18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で、しゃべる鳥ネネと出会う。2人の姉妹の40年を描く。

毎日新聞夕刊での連載小説が話題になっての書籍化!

『スピノザの診察室』夏川草介

京都の病院で働く内科医の物語。著者は、現役の医師なんですね。感動作です!

ちなみに著者は『神様のカルテ』で本屋大賞にノミネートしています。

『存在のすべてを』塩田武士

はじまりは前代未聞の二児同時誘拐だった。真実を追求する記者、現実を描写する画家。真相はどこにあるのか?誘拐事件からはじまる衝撃の物語です!

著者の代表作は『罪の声』『騙し絵の牙』があります。まちがいなく上位に食い込むでしょう。

『成瀬は天下を取りにいく』宮島未奈

かつてない最高の主人公あらわる!

成瀬あかりが全力でわが道を突き進む。成瀬が痛快で、行動が気持ちいいんですね。

とにかく絶賛の声が多数あがっていて、スカッとしたい方におすすめです!

続編の『成瀬は信じた道を行く』が出ているので、2冊読んでみてもいいと思います。

『放課後ミステリクラブ』知念実希人

本屋大賞ノミネート作としては、初めての児童書。

依頼人は先生、学校で起こる不思議な事件を子どもたちが解いていきます。

大人のミステリ小説の手法で書いたというだけあって、大人も子どもも楽しめる作品です!

著者は『硝子の塔の殺人』『ひとつむぎの手』『崩れる脳を抱きしめて』『ムゲンのi』で、本屋大賞にノミネートされていて常連作家です。

『星を編む』凪良ゆう

本屋大賞受賞作の続編がノミネート!

本作は、2023年本屋大賞『汝、星のごとく』の続編なんですね。『汝、星のごとく』は、瀬戸内の島で暮らしていた2人の高校生が出会い、共に生きていく愛の物語。

『星を編む』はその後の物語なので、2冊セットで読むのをおすすめしたいです!

『リカバリー・カバヒコ』青山美智子

経験と記憶が前とは違う自分を作ってくれる。

新築分譲マンション・アドヴァンスヒル。近くの公園にある古びたカバの遊具カバヒコは、自分の治したい部分と同じ部分をさわると回復するという都市伝説があった。

アドヴァンスヒルの住人は、カバヒコに悩みを打ち明ける。優しい物語が展開されていきます!

著者は本屋大賞の常連で、これまで『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』『月の立つ林で』、そして本作で4連続ノミネートしています!

『レーエンデ国物語』多崎礼

本格ファンタジー作品!

異なる世界、西ディコンセ大陸の聖イジョルニ帝国。母を失ったユリアが冒険の旅へ。呪われた地・レーエンデで出会ったのは、琥珀の瞳を持つ射手・トリスタンだった。その地で、はじめての友達をつくり、はじめて仕事をし、はじめての恋を経て、親族の駒でしかなかった少女は、やがて帰るべき場所を得る。

壮大な物語の序章です!

2024年本屋大賞 予想は?

本屋大賞受賞作の発表は4月10日!

本命は『黄色い家』ではないかなと思っています。川上未映子さんは実力があるのと、ファンも多く、初ノミネートで受賞までいくのではないかと。

次点は、『水車小屋のネネ』『スピノザの診察室』。大穴は『成瀬は天下を取りにいく』『君が手にするはずだった黄金について』と予想します!

本屋大賞を楽しむ!

本屋大賞はノミネートが発表されてから2ヵ月くらいあるんですね。

この間に、読めるだけ読んでおくと、受賞作がなにになるか、かなり楽しめると思います!

いまこのときに読んでおくべき小説だらけ。気になる作品から手にとってみてください。

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ジブリ鈴木敏夫のすごさとは?「仕掛ける力」「作品を生み出す力」を分析する

鈴木敏夫の生き方にあこがれてしまう。

いまの道楽な感じがいいじゃないですか。「実はね…」ってジブリ作品の裏話をする。ラジオやインタビューでの語りかけ口調もいい。

数々のヒット作に関わってきて、ジブリ作品は歴史に残っていくわけで、最高じゃないですか。コンテンツ制作に関わるうえで、理想だと思う。

でも鈴木敏夫のなにがすごいのか、よくわかっていなかったんです。プロデューサーって、なにをしている人か見えづらい。

だけど、鈴木敏夫の本やインタビューを読んでいると、いやはやめっちゃ仕掛けてる。もちろん宮崎駿といった一流作家の作品力が前提であるものの、鈴木敏夫がいたからこそ、ジブリ作品がここまでヒットしたのは間違いないと思える。

鈴木敏夫のすごさって「仕掛ける力」だと思うんですね。「作品を届ける」「作品を生み出す」の両側面から見ていきたいと思います!

-- 『君たちはどう生きるか』が米アカデミー賞・長編アニメーション賞を受賞! ゴールデングローブ賞のアニメ映画賞も受賞していたので、海外での注目度がわかります。

作品を届ける力(コピー、タイトル、ビジュアル)

ジブリ作品ってめちゃくちゃ宣伝に力を入れていたんですね。『君たちはどう生きるか』はいっさい宣伝していないですが。

鈴木敏夫は、宣伝の基本として「コピー」「タイトル」「ビジュアル」の3点セットと言っているので、まずはそこにフォーカスしてみます。

コピーについて

ジブリ作品はキャッチコピーが印象的ですよね。鈴木敏夫は、映画の旗印として、キャッチコピーをとらえていて、それだけ重視しているんです。

制作する人、宣伝する人、興行する人が、その作品の本質を理解し、一致団結して一つの方向に向かう。そのための旗印がキャッチコピーだった。 『ジブリの仲間たち』鈴木敏夫

『風の谷のナウシカ』からして、キャッチコピーのこだわりが詰まっています。広告代理店から「人間はもういらないのか?」というキャッチコピーの提案があったそうですが、「作品テーマを曲解している」と鈴木敏夫はバッサリ。

結局は、

  • 「少女の愛が奇跡を呼んだ」(宣伝プロデューサーの徳山雅也案)
  • 「木々を愛で虫と語り風をまねく鳥の人」(鈴木敏夫案)

で展開しました。

そして、『となりのトトロ』『火垂るの墓』の同時上映のとき、糸井重里を起用します。はじめはキャッチコピーを徳間書店と新潮社の関係者で作ろうとしたが、まったくいい案が出なかったそうです。もうまとまらない。

そこで当時、数々の商品をヒットに導いたコピーライターの糸井重里に依頼することを決めたわけです。

そこから糸井重里によって数々の名コピーが生み出されていきます。

  • となりのトトロ「このへんないきものは まだ日本にいるのです。たぶん。」
  • 火垂るの墓「4歳と14歳で、生きようと思った」
  • 魔女の宅急便「おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。」
  • もののけ姫「生きろ。」

どれも記憶に残りますよね。

なお『千と千尋の神隠し』では、鈴木敏夫によって宣伝の方向性が変わっていきました。裏主人公がカオナシだと、鈴木敏夫が見抜いたんですね。パッと見は、千尋とハクの物語。でも宮崎駿が描きたかったのはカオナシだと。欲にまみれて増大していく。実際にカオナシの登場時間をカウントすると、千尋の次だったんですね。

「トンネルの向こうは、不思議の町でした」がはじめのコピーだったのですが、第2弾コピーではカオナシを押し出すことに決めます。東宝宣伝プロデューサー市川南と、「生きる力を呼び醒ませ」というコピーを作り上げて宣伝していくんですね。カオナシをビジュアルに使いながら。

この件について、鈴木敏夫は作り手が描きたいことを見抜く大切さを語っています。

作家は犯罪者、プロデューサーは刑事」「作り手は本当に自分が描きたいことを作品のなかに隠しているものなんだ。でも、それが観客にとっていちばん観たいものだったりする。それを見抜く目を持たなければ、プロデューサーはできないよ 『自分を捨てる仕事術 鈴木敏夫が教えた真似と整理整頓のメソッド』石井朋彦

タイトルについて

タイトルについては、『風の谷のナウシカ』には驚きのエピソードがあります。東映の宣伝プロデューサーが、『風の戦士ナウシカ』というタイトルにしようとしてきたんですね。『風の谷のナウシカ』では売れないと。鈴木敏夫は大喧嘩をした。タイトルは作品全体に関わること。自分たちがやりたい作品を守ると。

宮崎駿に対しても容赦はありません。『もののけ姫』です。宮崎駿ははじめは『アシタカ戦記』にしたがっていたんですね。それをテレビ放送で『となりのトトロ』が流れたときの予告で、『もののけ姫』と発表してしまったそうです。間違いない確信があったからこそ、押し通せた話だよなと思います。

ビジュアルについて

どの作品も印象的なビジュアルが使われていますよね。それも伝えるべきことはなにか、バランスを考えているからこそ。『魔女の宅急便』の宣伝ポスターを見てほしいのですが、パン屋でキキが座っている場面が使われていますよね。魔女がホウキで空飛んでいるところを使いたくなりそうですが。

だけど「魔女」も「宅急便」もタイトルで伝えているわけです。鈴木敏夫は、コピー、ビジュアルにその要素はいらないと判断したといいます。思春期を伝えるコピーとビジュアルを考えて、あの宣伝ポスターになったそうです。

作品を届ける力(宣伝力)

とにかく宣伝にかける力がものすごい。製作委員会方式やタイアップを仕掛けていたことがわかります。

製作委員会方式をはじめた

映画作りの資金調達のために、さまざまな企業が出資する製作委員会方式。はじまったのは『風の谷のナウシカ』といわれていて、徳間書店と博報堂がいっしょになって、出資したことから。この名付け親が、鈴木敏夫なんですね。

タイアップをはじめた

いまや企業と映画作品のタイアップはよく見る方式ですよね。タイアップをはじめたのは、ジブリが初めてだったそうです。

『天空の城のラピュタ』で、徳間の要請で電通が代理店として入りました。電通は映画にクライアントをつけて、ラピュタキャラや映像使用の条件リストを提示。これはけっこう揉めて、ロゴしか使用できないとか、ラフ絵でのジュースパッケージを使うとかになりました。ただこれがきっかけで、『魔女の宅急便』では、ヤマト運輸のタイアップが決まって作品作りが始まったし、協賛各社とのタイアップはその後も続きます。

ヒットの法則を見つけた

ジブリ作品は宣伝のために、いろいろな仕掛けをしていたことがわかります。

たとえば、『おもいでぽろぽろ』では6つの戦略を仕掛けました。

  1. 新聞広告やテレビなど東宝が行う通常の映画宣伝
  2. 関係各社が自社媒体で宣伝(日テレなど)
  3. 協賛各社によるタイアップ(カゴメ、ブラザー工業)
  4. 試写会
  5. 各媒体のパブリシティ
  6. イベント・キャンペーン

そして圧巻なのが『もののけ姫』です。制作時は不安視されていたんですね。時代劇であること、制作費がとんでもなくかかることから、反対が根強かった。制作費は最低16億円、ペイラインは配給収入60億円。関係者が集まって、この企画をやめさせようとする動きもあったそうです。

だけど鈴木敏夫は「宣伝費=配給収入の法則」がわかっていた。すなわち宣伝費をかければかけるほど、ヒットするというわけです。そんな雑な計算と思うものの、まずは劇場を確保していきます。東宝劇場に頼んで、もののけ姫中心の編成にしてもらった。そして60億円分の宣伝を仕掛けた。GRPというCM出稿の数字を見ながら、日本生命とタイアップ12億円などさまざまな方法をとっていったんですね。結果は、興行収入200億円をこえる特大ヒット!見事、勝負に勝ったわけです。

『もののけ姫』をこのタイミングでやるべき理由もあったんですね。宮崎駿の年齢(当時56歳)、スタッフの成熟度、予算を集められる状況がそろったと思っていたそうです。

作品を生み出す力

作品を生み出すうえでも、影響を与えていました。

トトロの登場タイミング

『となりのトトロ』の絵コンテを見て、はじめては冒頭からトトロが出ずっぱりだっそうです。そこで鈴木敏夫が「こういうのは半分のところから出るんじゃないですか?」と指摘。宮崎駿は「わかった!」と言って、冒頭を考えていったといいます。

さらに鈴木敏夫が「サツキみたいな完璧な賢い子は将来ぐれる」発言。宮崎は激怒したものの、サツキを泣かせるシーンを入れました。「鈴木さん、これでサツキは不良にならないよね」。

もののけ姫のラスト

『もののけ姫』のラストは、タタラ場は炎上せずに、尻切れトンボ感があったそうです。そこで鈴木敏夫が「エボシを殺したらどうか?」と提案。宮崎駿は受け入れるも、エボシは殺せないと腕を失うのみにしました。なお、この絵コンテ修正で15分伸びてしまう事態に。ジブリの月間生産量は5分だったため、これだけで3ヵ月の遅れ。カリオストロの城を制作したテレコムのスタッフが駆けつけて、1ヵ月で制作したそうです。

風立ちぬを提案

宮崎駿はポニョの続編を考えていたそうですが、『風立ちぬ』を鈴木敏夫が提案しました。戦闘機が好きで戦争が嫌い。なぜ彼はそうなったのか?知りたい。そして戦闘シーンを封じられた中でどう作るのか、興味があったといいます。

鈴木敏夫の仲間を作る力

鈴木敏夫の宣伝手法で大切なことはなにか?ラジオで話していたのがおもしろくて、とにかく仲間を集めることを意識していたといいます。

徳間の社員1600人、博報堂グループ8000人、日テレ関係で15,000人、その人たちの家族も見るとしてこれだけで5万5千人くらいになる。身近な人たちを仲間だと考えて、どんどん増やしていくんですね。

僕にとって、何が楽しいって人と付き合うことほど楽しいことはない。好きな人ととことん付き合う、好きな人に囲まれて仕事をする、これは最高じゃないですか。『ジブリの仲間たち』

仲間を集めて仕掛けて仕掛けて仕掛けまくる。できることはすべてやるという気概を感じますよね。のらりくらりとしていたら、ヒット作って生み出せないんだなと。鈴木敏夫の仕掛け力、すさまじいです。

もちろんクリエイティブへの理解もあるわけで、このバランスが鈴木敏夫のすごさだと思います。

ぼくの場合は出版社出身ということも関係しているけれど、編集者型のプロデューサーですね。編集者型のプロデューサーが何かといえば、一人の作家に作品を作ってもらうこと。これがいちばん大きな仕事ですね。それを行うには作家との相性もあるけれど、作家が何かを作ろうとしたときに最初の読者になること。この姿勢がもっとも重要なんです。では最初の読者になるためにすることは何か。ポイントとなるのは、作家が何か言ってきたときに相槌をどう打つのか。そのタイミングを間違えると、作家と編集者の関係はうまくいかなくなります。相槌をうまく打つには、その作家の教養の元を知っていて、自分も同様の教養を身につける必要があるんです。 『仕事道楽 スタジオジブリの現場』

なにより大事なことを鈴木敏夫の言葉から引用します。

目的のためには手段を選ぶジブリの目的はヒットを量産することでも、お金を設けることでもないからです。映画を作り続けるためです。その順番だけは間違えないように、30年間ずっと注意してきました。『ジブリの仲間たち』

平安時代おすすめ本・小説11選!『光る君へ』をより楽しむために

2024年のNHK大河ドラマ「光る君へ」。

平安時代、紫式部(吉高由里子)の恋や政争に巻き込まれる一代記です。『源氏物語』はどのように書かれたのか。

大河ドラマでは、平安時代の様相がていねいに描かれています。さらに楽しむための平安時代おすすめ本・小説を紹介していきます!

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平安時代おすすめ本【入門編】

まずは平安時代を知るうえでの入門書になります。

『一冊でわかる平安時代』

平安時代がどんな時代だったのか、図やイラストを使いながら解説しています。

そのころ世界では?というコラムで、時代性を感じることができます。

『地図でスッと頭に入る平安時代』

絵と文字が大きめなので読みやすいです!家系図や地図が豊富なので、それぞれの状況がビジュアルでつかめるのもうれしいポイント。

人気の「地図でスッと頭に入るシリーズ」なので内容は間違いありません。

平安時代おすすめ本【上級編】

さらに深く平安時代を知るためのおすすめ本を紹介します!大河ドラマ『光る君へ』の時代考証を務める倉本一宏さんの本が多めになります。

『平安貴族とは何か』

400年という平安時代。平安貴族たちは、国のために立ち回りながら朝廷を支えていたんですね。『御堂関白記』藤原道長、『権記』藤原行成、『小右記』藤原実資という3つの古書から明らかにしていきます。

平安貴族というと蹴まりでもしているようなイメージしかなかったのですが、本書を読むとリアルな実像をつかむことができます。

『紫式部と藤原道長』

大河ドラマでも主軸となっていく紫式部と藤原道長。この2人にフォーカスしています。

『源氏物語』がなければ藤原道長の栄華もなかったんですね。藤原道長が紫式部に期待したこととは?

ほかに紫式部の生母との死別、道長の権力獲得に欠かせなかった姉・詮子といったテーマが並びます。

『藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代』

藤原道長はどうように権力の座についたのか。藤原道長の日記『御堂関白記』から読み解いていきます。

ここまで日本には日記が残っていて、これは世界的に珍しいんですね。『日本書紀』から始まる正史の編纂が、『日本三代実録』で廃絶してしまったから。政務や儀式を先例どおりに行うために、日記が必要だったわけです。

源氏物語はなぜ生まれたのか?藤原道長が、娘・中宮彰子のためにオファーしたのが紫式部だったんですね。そのあたりの経緯にも触れています。

『謎の平安前期 -桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』

平安時代の前期は、この国のかたちを見えてきたという時代。桓武天皇、在原業平、菅原道真、藤原基経といった超個性派メンバーを考察していきます。そして、斎宮女御、中宮定子、紫式部らに光を当てていきます。

『光る君へ』の前日譚としてもおすすめです!

『藤原氏―権力中枢の一族』

平安時代に繁栄を築いた藤原氏。教科書で知っているとは思うものの、藤原氏のすごさはあまり伝わっていないのではないでしょうか。

「大化の改新」の藤原鎌足からはじまり、平安京の時代、藤原道長の隆盛などを考察していきます。

「藤原氏こそが日本の歴史を動かしてきた主役」と言うとおり、常に権力の中枢にいた藤原氏の強さ・魅力・はかなさを感じることができます。

平安時代おすすめ小説

平安時代を舞台にした小説作品を紹介していきます!

『この世をば』永井路子

藤原道長は、どのようにして権力を手に入れたのか?そもそも藤原道長はのんびり屋であまり目立たない存在だったんですね。それが姉の詮子の後押しがあって、政権の中枢へと入り込んでいきます。

そこから娘たちを権力者に嫁がせて、すべてを欲しいままにすることになります。人間くさくて魅力的な道長が描かれます。直木賞作家・永井路子が、藤原道長を真っ向から描きます。

『はなとゆめ』冲方丁

清少納言の心ふるわせる生涯を描いた作品。

どうして清少納言は『枕草子』を書いたのか?中宮の定子によって、その才能が開花していきます。しかしそこから藤原道長と定子の政争に巻き込まれていくんですね。

『陰陽師』夢枕獏

マンガや舞台、映像化されている夢枕獏の『陰陽師』。

平安中期を舞台にして、陰陽師・安倍晴明が活躍します。バディの源博雅とのやり取りが最高なんですね。2人で怪異的な事件を解決していきます。エンタメ性が高いので、歴史小説が苦手でも楽しく読めるんですね。

大河ドラマ『光る君へ』でも、安倍晴明が登場。こちらは暗躍しそうな雰囲気をまとっているので、比べてみるのもおすすめです。

マンガ版はこちら。ホントすばらしいです!

『千年の黙 異本源氏物語』森谷明子

なんと紫式部が探偵役!平安時代を舞台に、さまざまな謎を解明していきます。観察力のするどい紫式部だからこそ見抜けることがある。

藤原道長、中宮彰子、中宮定子なども登場して、物語を盛り上げていきます。第13回鮎川哲也賞受賞作。

平安時代の魅力を堪能する

平安時代はなかなか馴染みがないものの、知っていくとおもしろい時代です。まず権力争いがエグいんですね。一方で文化が栄えた時代でもある。

大河ドラマ『光る君へ』をより楽しむためにも、平安時代の本や小説を読んでほしいと思います!

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源氏物語おすすめ本17選!現代語訳や解説本・マンガ作品を紹介

2024年のNHK大河ドラマは「光る君へ」。

主人公は紫式部(吉高由里子)になります。 平安時代に、ベストセラー『源氏物語』を書き上げました。

源氏物語を楽しめるおすすめ本を紹介していこうと思います!

www.nhk.jp

平安時代のおすすめ本はこちらから!

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源氏物語おすすめ本【現代語訳編】

源氏物語を知っておくためのおすすめ本です。現代語訳でぜひ!

『源氏物語 ビギナーズ・クラシックス』

原文に当たりたいなら、この本から!原文と現代語訳が総ルビでまとめられています。

やはり原文の美しさがあるんですね。そして紫式部のユーモアを感じることができます。『源氏物語』のエッセンスに触れてほしいと思います。

『源氏物語』角田光代

ものすごく読みやすいです!『八日目の蝉』『紙の月』『愛がなんだ』という代表作がある角田光代による現代語訳。

文庫化(全8巻)もされているので、いま現代語訳を読んでみたいならば、手にとってほしいと思います。

『すらすら読める源氏物語 上中下』瀬戸内寂聴

さくっと全体像をつかむにはおすすめです。瀬戸内寂聴がおすすめする帖だけを選んでいるんですね。

瀬戸内寂聴の訳なのも読みやすくて、すぐに源氏物語の世界に入り込めます!解説も充実しています。

『謹訳 源氏物語』林望

難しい表現や1文の長さがあるため、読みづらさがあります…。ただ、厳密な古典解釈をしている内容といえるため、本来の源氏物語の世界観を堪能するにはおすすめです!

『潤一郎訳 源氏物語』谷崎潤一郎

『細雪』『痴人の愛』といった作品を生み出した谷崎潤一郎の訳文になります! それだけに作家としての品が感じられます。ただし読みにくさはあるため、谷崎潤一郎の文体が好きなら、ハマると思われます。

『源氏物語 A・ウェイリー版』ウェイリー

美貌の皇子シャイニング・プリンス、ゲンジ!光源氏がシャイニングとなっています。ぶっ飛んでいるようで読みやすさはあるので、入門書にもなります。

もとは100年前にアーサー・ウェイリーが源氏物語を英訳したものがベースになっているんです。それを日本語に再翻訳しています。

源氏物語おすすめ本【入門編】

入門編です!

『源氏物語 解剖図鑑』

もうね、犬と猫なんですね。だからかわいく楽しく読めてしまいます。解剖図鑑シリーズなので絵が豊富で、わかりやすい。

「キャラで分かる! 源氏物語」「データで分かる! 源氏物語「源氏物語で日本美術が分かる」といった解説も充実しています。

『眠れなくなるほど面白い 図解 源氏物語』

源氏物語を図解で解説!登場人物、巻ごとのあらすじ、ストーリーと名場面を中心にまとめています。

源氏物語おすすめ本【中級・上級編】

『源氏物語の世界』

源氏物語は恋と愛の物語。それだけはない多面的な楽しみがあるんですね。

本書では、冒頭の桐壺巻の4つの謎かけにフォーカスして、源氏物語の世界を読み解いていきます。

『源氏物語を歩く』

源氏物語のゆかりの地を紹介!城や寺、神社といったビジュアルが写真で掲載されています。54帖すべてに、あらすじ説明があります。

『ミライの源氏物語』

これはなかなかすごいことをやっています。ルッキズム、ロリコン、不倫といった現代的なテーマを、源氏物語で見ていくんですね。すごくないですか!?

もちろん今の感覚から見ると、男尊女卑な部分だらけ。だけど、イヤな部分も楽しめるかどうかという視点を、本書は教えてくれます。イヤな気持ちになる。違和感がある。そういった複雑な読書もまた豊か。

源氏物語おすすめ本【歴史解説編】

源氏物語にまつわる歴史について解説した本を紹介します!

『紫式部と藤原道長』

大河ドラマでも主軸となっていく紫式部と藤原道長。この2人にフォーカスしています。

『源氏物語』がなければ藤原道長の栄華もなかったんですね。藤原道長が紫式部に期待したこととは?

ほかに紫式部の生母との死別、道長の権力獲得に欠かせなかった姉・詮子といったテーマが並びます。

『藤原道長の権力と欲望 紫式部の時代』

藤原道長はどうように権力の座についたのか。藤原道長の日記『御堂関白記』から読み解いていきます。

ここまで日本には日記が残っていて、これは世界的に珍しいんですね。『日本書紀』から始まる正史の編纂が、『日本三代実録』で廃絶してしまったから。政務や儀式を先例どおりに行うために、日記が必要だったわけです。

源氏物語はなぜ生まれたのか?藤原道長が、娘・中宮彰子のためにオファーしたのが紫式部だったんですね。そのあたりの経緯にも触れています。

『平安貴族とは何か』

400年という平安時代。平安貴族たちは、国のために立ち回りながら朝廷を支えていたんですね。『御堂関白記』藤原道長、『権記』藤原行成、『小右記』藤原実資という3つの古書から明らかにしていきます。

平安貴族というと蹴まりでもしているようなイメージしかなかったのですが、本書を読むとリアルな実像をつかむことができます。

『藤原氏―権力中枢の一族』

平安時代に繁栄を築いた藤原氏。教科書で知っているとは思うものの、藤原氏のすごさはあまり伝わっていないのではないでしょうか。

「大化の改新」の藤原鎌足からはじまり、平安京の時代、藤原道長の隆盛などを考察していきます。

「藤原氏こそが日本の歴史を動かしてきた主役」と言うとおり、常に権力の中枢にいた藤原氏の強さ・魅力・はかなさを感じることができます。

源氏物語おすすめ本【マンガ編】

源氏物語のマンガ作品を紹介していきます!

『あさきゆめみし』大和和紀

源氏物語のマンガの定番です!とにかく絵が美しい。

このマンガから源氏物語の世界を知った人も多いと思います。教科書的ではない源氏物語のストーリーを味わえるマンガ作品です。

『源氏物語 マンガ古典文学』花村えい子

どちらかというと、原作に忠実にマンガ化している作品。

少女漫画のパイオニアの1人でもある花村えい子が手掛けています。「桐壺」「帚木」「空蝉」「夕顔」といった区切りで、マンガ化されていきます。

源氏物語の世界を堪能する

『源氏物語』は2000年愛されている物語。その世界を知らないともったいない!

現代語訳や解説本をぜひ読んでほしいと思います。

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『100分de宗教論』で紹介された本4冊

テーマは宗教論。

『100分de名著』のスペシャル版で、宗教にまつわる本が紹介されていました。今こそ読んでおきたい本が厳選されていますので、まとめていきます。

www.nhk.jp

『予言がはずれるとき』釈徹宗さん推薦本

レオン・フェスティンガーによる本。

個人は集団や社会からどんな影響を受けるのか?予言に注目した一冊です。

古今東西、予言はことごとく外れています。信じた人は失望して離れるが、むしろ勢力を拡大していくことがある。いったいなぜか?予言が外れてもある条件で、より信仰心が強くなることが見えてきたといいます。

本書では、宇宙人と会ったというグループに潜入取材をした記録が記されています。宇宙人が迎えにくるという予言があった。しかし、迎えはこなかった…。それにより落胆し、グループ内で「認知的不協和」が起こったのです。

認知的不協和の理論としては、以下の3つに対応が分かれるといいます。

  • 信念、意見、行動を変える。
  • 協和を強くするようにする。
  • 耳をかさない。

宇宙人グループは、世の中への認知を獲得することに全力を挙げていきます。世の中が認めれば、不協和を解消できるとして、結束が高まっていったわけです。我々が活動したから、世の中を救えた。これにより、「信仰」が誕生したのです。

『ニコライの日記』最相葉月さん推薦本

ロシア人宣教師が見た日本。日本開国して明治の人々の姿が見えてくる。

正教を布教するうえで、仏教や政府からの妨害があったんですね。そもそも信仰について考える人は少なかった。正教は難しいため、まだプロテスタントのほうが可能性があったといいます。

そのなかでも、正教は信仰者を増やしていきました。正教の「霊性」と、だれもが仏になれるといった仏教の考えがマッチしたといいます。

『大義』『大義の末』片山杜秀さん推薦本

『大義』は杉本五郎が記し、軍部にいて禅の心を大切にして、戦前のベストセラーに。軍人としての生き方、信仰についてまとめられています。

神道はアニミズムや自然を大切にしていて、本来は各地域の共同体をつなぐためのもの。近代国家をつくるために、天皇を信仰する神道になっていく。国家神道に。どう生きたらいいかわからない若者たち。私がなくなり、天皇一神教へ。

『大義の末』は城山三郎による小説。『大義』に影響を受けた青年のてん末を描いています。

『深い河』中島岳志さん推薦本

クリスチャン作家の遠藤周作による小説。磯辺の妻は亡くなる前、「生まれ変わるから」と言い残します。磯辺はインドへのツアーで、輪廻転生があると思える出会いがあった。

宗教をどう捉えるのか、登場人物たちのスタンスによって考えが深まっていく作品です。

宗教を避けるのではなくその本質をとらえる

どうしても宗教といっただけでアレルギーがある人も多いと思いますが、だれもが関係するもの。人類にとって宗教とはなにか?は、人類史を考える上で避けては通れない問いです。

ぜひこの4冊で宗教への理解を深まえていきましょう。

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