たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

恋愛番組「バチェラー・ジャパン」はセレブ男性1人と美女25人の残酷ショーだった

イケメンセレブ男性1人に、美女25人が群がる。

なんともゲスな番組が、Amazonプライムで始まりました。

『バチェラー』は全米で2002年から放送され、世界30ヶ国でシリーズ展開されている人気恋愛リアリティ番組。2月17日から日本版として『バチェラー・ジャパン』が配信スタートとなりました。

シーズン1の1話・2話を振り返ってみたいと思います。

どんな番組?

バチェラーとは独身男性のこと。日本版のバチェラーは、IT企業の元社長でイケメンな久保裕丈さん(35)。

モデルや女優など25人の美女たちが、久保さんの結婚相手になるために恋愛バトルを繰り広げていきます。

グループデートや1対1のトークが行われ、 1ラウンドごとに3人の女性が脱落していきます。

最後に残れる女性は1人のみ。

バチェラーから薔薇を渡されれば、次のラウンドに進むことができるというルールです。

1話目:静かな始まり

1話目は静かな立ち上がり。バチェラーの久保さんと、25人の女性のプロフィール紹介回になりますね。

リムジンでやってきた女性たちを1人ずつ久保さんがお出迎え。簡単な自己紹介を行います。

にこやかな雰囲気なのですが、奇抜な趣味について話したり、折り鶴式の手紙を渡したり、なかにはハグする女性もいました。

すでにバトルが始まってる‼︎ (リムジンから降りて久保さんのところに向かうまでに転ぶ女性もいましたが、わざとか!と思えてきたり)

そのあとカクテルパーティに移りますが、久保さんとの1対1のトークをめぐって、女性陣がざわつきます。誰とトークしているのかを気にしていて、割り込んでくる女性もいたり。

トークの中身もアピールがすごい。「好きになっていいですか?」と女性からの発言もあって、さらに過激さを増す予感を漂わせながら、第1話は終了します。

2話目:カオス状態に

第2話はさらに過激路線になっていきます。

泣くんです、女性たちが。次々と。

女性たちの作戦かと思うかもしれません。実際に女性陣の中からは、「女が涙を流すのは、男に媚びを売る以外なにがあるんですか? 」という指摘も出てきます。

だけど、この状況で涙を流すのは当たり前だろ、と見ていて感じました。

グループデートにも誘われないと、女性だけで残ることになる。何もやることありません。

あれ、私なんでここにいるんだろう?と存在意義すら疑うはめになる。

だから精神が不安定になって、号泣する女性も出てきてしまう。

考えてもみてください。25人も女性いるのに、男性は1人。女性全員が選ばれる側になるシステムで、常に競争にさらされる。

「バチェラーに選ばれること」しか目的がない。違う男性もいないし、趣味や仕事に入れ込むこともできない。バチェラーに気に入られなければ、薔薇を渡されなければ、存在意義がなくなる。

かなりキツくないでしょうか?

彼女たちがバチェラーを射止めようとするのは、恋愛感情ではありません(少なくとも1話、2話までは)。選択されたい、自己を認めてほしいという欲求を満たすため。

この状況だと、バチェラーが命令すれば誰もが言うことを聞くのではないか、と思えてくる。そのくらい心理的に追い詰められていることが伝わってきます。

選択肢がないことのツラさ

コロンビア大学ビジネススクールの教授シーナ・アイエンガーは、著書『選択の科学』にて、「選択権を持つことは生き物の基本的欲求である」と指摘しています。

人生をコントロールできていると認識していることが人間にとって大事で、選択こそが人間に活力を与えてくれるわけです。

自己決定権があるかないかで、寿命に影響が出ると言うデータもあるそうです。

そう考えると、女性25人は自分のコントロール権がなく、基本的欲求が満たされていない状況に置かれているのです。

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

選択の科学 コロンビア大学ビジネススクール特別講義 (文春文庫)

さいごに

「バチェラー・ジャパン」は恋愛リアリティ番組と銘打たれていますが、残酷ショーな側面があり嫌悪感を抱く人もいるかと思います。

ですが、人間心理を学ぶという点ではかなり興味深い。壮大な実験とも言えます。

まだまだエグい展開が待ってそう。