たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

【全4作】マスカレードシリーズはどの順番で読むべき?あらすじ・ネタバレ紹介

マスカレードシリーズ

東野圭吾のマスカレードシリーズ、最新の第4作『マスカレード・ゲーム』が刊行されました。

マスカレードシリーズは、木村拓哉&長澤まさみの強力タッグで映画化され、第1弾の『マスカレード・ホテル』は46億円を超える大ヒット。そして第2弾の『マスカレード・ナイト』が2021年に公開されました。

木村拓哉と長澤まさみのやり取りだけでも楽しいわけですが、原作のマスカレードシリーズは現時点で4冊刊行されています。

どの順番で読むべきか、各巻の内容について紹介しながら解説していきます。

マスカレードシリーズのあらすじは?

一流ホテルの「ホテル・コルテシア東京」で、捜査一課の刑事・新田浩介と、女性フロントクラーク・山岸尚美が、事件を解決していきます。マスカレードシリーズは現時点で、『マスカレード・ホテル』『マスカレード・イブ』『マスカレード・ナイト』『マスカレード・ゲーム』の4作があります。

ホテルの客の中から犯人を探すという構図が魅力で、あやしげな人物がわんさか出てくる。また、捜査優先の新田に対して、ホテルマンとして指導する山岸という構図がおもしろいんですよね。

マスカレードシリーズはどの順番で読むべき?

マスカレードシリーズは、そのまま刊行順に読むのがオーソドックスではありますが、『マスカレード・イブ』が『マスカレード・ホテル』の前日譚で短編集であることから、また違った読み方も可能です。

「マスカレードシリーズ」刊行順で読む

  • 『マスカレード・ホテル』2014年7月刊行
  • 『マスカレード・イブ』2014年8月刊行
  • 『マスカレード・ナイト』2017年9月刊行
  • 『マスカレード・ゲーム』2022年4月刊行

「マスカレードシリーズ」物語の時系列順で読む

  • 『マスカレード・イブ』
  • 『マスカレード・ホテル』
  • 『マスカレード・ナイト』
  • 『マスカレード・ゲーム』

「マスカレードシリーズ」映画化された作品から読む

  • 『マスカレード・ホテル』
  • 『マスカレード・ナイト』
  • 『マスカレード・イブ』
  • 『マスカレード・ゲーム』

【4作目】『マスカレード・ゲーム』あらすじ

まったく解決の糸口すらつかめない3つの殺人事件が発生。

捜査を進めると、殺害方法が共通していて、被害者がこれまでに人を死なせた者であることも同じだとわかりました。

被害者は、少年院あがりの入江悠斗、強盗殺人で実刑判決をくらった高坂義弘、元恋人の全裸画像をネットで公開して有罪となっていた村山慎司。

そして、被害者たちを憎む遺族たちが、ホテル・コルテシア東京に宿泊することが判明。警部となった新田浩介がホテルマンになって潜入捜査を開始します。

新田は、新キャラ・梓警部がとともに、事件に立ち向かうことになります。

『マスカレード・ゲーム』おすすめポイント

ホテル・コルテシア東京で潜入捜査!

新田と山岸のやり取り含めて、シリーズおなじみの展開はやはりおもしろいです。

そして『マスカレード・ゲーム』で注目したいのは、新キャラの梓警部でしょう。梓は、女性のハンディをものともせずに、出世をしてきました。盗撮・盗聴など、どんな手段を使っても、犯人を捕まえることを目的に行動します。

新田は昇進して、中間管理職の立場になっていて、梓に振り回されるんですね。

事件解決を縦軸にして、新田と梓の関係が気になってきます。さすがの構成です。

そして、コルテシア・ロサンゼルスにいる山岸尚美との再会はあるのか?

マスカレードシリーズを本や映画で触れたことがあれば、絶対に読んでおきたい1冊になっています!

【1作目】『マスカレード・ホテル』あらすじ

都内で3件の連続殺人事件が起き、現場に残された暗号から、次の犯行現場が「ホテルコルテシア東京」だということがわかります。

捜査一課の刑事・新田浩介は、帰国子女で英語が話せるということから、ホテルに潜入捜査するように命じられます。新田の教育係になったのは、フロントクラークの山岸尚美。新田は捜査優先しようとする姿を山岸は毛嫌いして、お客さま優先で働くように指導するんですね。

捜査のプロ、ホテルマンのプロ。2人とも仕事へのプロ意識が強いから、ぶつかる必然性があって、この2人のやり取りがおもしろいです。信じるのか信じないのか、スタンスがまったく違う。

そして、ホテルには次から次へと、一癖も二癖もある怪しい客がやってきます。はたして犯人は現れるのか?

『マスカレード・ホテル』ネタバレ解説!犯人はだれ?

『マスカレード・ホテル』の犯人は、35歳の女性・長倉麻貴。かなり序盤に登場していたのですが、目の不自由な老婆の片桐として変装していました。

このとき、新田は片桐が手袋をしていることで、疑いを向けていました。目が不自由な人にとって、感覚が遮断される手袋をすることはありえないと考えたからです。

ここで片桐は目が見えていることを明かす。視覚障害があって霊感の強い夫が上京してくるので、自分自身が夫と同じ状況になってホテルの対応を試していたというのです。

『マスカレード・ホテル』犯人の動機は?

片桐の疑いが晴れたかと思いきや、4つめの犯行で狙われていたのは、山岸だったのです。

長倉は、同じ劇団の松岡高志と付き合っていたものの、長倉が妊娠したとわかった途端に捨てられてしまったのです。そして松岡が宿泊していたホテルに、長倉が訪ねてきたのが1年前。そのときに対応していたのが山岸でした。

山岸は、長倉の鬼気迫る態度から危険だと判断して、松岡の身を守るために、長倉に松岡というお客さまは滞在していないとウソをつきます。

そして長倉はホテルの前で待つことを決めたけれど、寒さもあり流産してしてしまうことになります。長倉は、松岡とともに、山岸も憎むようになったのです。

『マスカレード・ホテル』連続殺人事件の犯人は?

ここで疑問が生まれます。都内の連続殺人事件の犯人はだれなのか?です。

長倉が仕掛けた偽装工作で、ホテルでの犯行で疑いをかけられないように、バラバラの3つの事件に、暗号を仕掛けて関連があると、ミスリードさせたのです。

【2作目】『マスカレード・イブ』あらすじ

『マスカレード・イブ』は、新田と山岸が出会う前を描いた短編集。「それぞれの仮面」「ルーキー登場」「仮面と覆面」「マスカレード・イブ 」「エピローグ」といった5篇で構成されています。

『マスカレード・イブ』ネタばれ解説

山岸パートと、新田パートがあり、それぞれの魅力が満載です。共通しているのは、仮面です。ホテルのお客様の仮面、事件の犯人の仮面。それぞれ人間の裏側を見せてくれる展開になっています。

マストで読むべきは、表題作と同様の「マスカレード・イブ」です。『マスカレード・ホテル』につながっていく内容が盛り込まれています。

「マスカレード・イブ」はホテル・コルテシア大阪で、山岸がオープニングスタッフとして手伝いに行っていたときの話。新田たちが追っていた事件のヒントを山岸が導いていたことが描かれます。

『マスカレード・ホテル』の前に、2人で事件を解決していたわけですね。

ただし、このときは2人は顔を合わせていません。ホテル・コルテシア大阪に聞き込みに行ったのは新田とは別の刑事。

新田が「一度、顔を見ておきたかったな。その聡明な女性フロントクラークとやらの」と言うと、聞き込みに行った刑事は「美人ですよ。いつか会えるといいですね」と返します。

「新田は口元を曲げ、遠くに目を向けた。東京の空が赤く染まり始めていた。事件が解決したばかりだというのに、何かが始まる前触れのような気がした」

【3作目】『マスカレード・ナイト』あらすじ

大晦日。コルテシア東京で再び、殺人事件が起こるという密告状が、警視庁に届きます。ホテルの客たちが仮装するカウントダウンパーティーの出席者は500人。

新田が潜入捜査を開始し、山岸と再会。言い争いながらも、2人は事件解決に向けて動いていきます。はたして犯人を捕まえることができるのか?

『マスカレード・ナイト』ネタばれ解説

練馬のマンションで、若い女性の他殺体が発見されます。容疑者は明らかで付き合っていたと思われる男性ですが、まったく情報がつかめない状態になっていました。さらに密告者はだれなのか?なぜ密告したのか?が提示される謎になります。

カウントダウンが終わったあと、新田が捕らえた男性の仮面をはぐとまったく知らない顔。

「あなたの目と口しか見えなくなる。すると不思議なことに、あの化粧が頭に浮かんでくるんです。目元に施された派手なメイクが。仲根緑さんの顔が」。

犯人は仲根緑でした。女性のように見えますが、仲根緑は性別でいえば男性で、森沢光留という名前だったのです。

森沢の妹は、男性に無理やり暴行されて、命を絶った過去を持ちます。これにより森沢は男性を恨みながらも、妹と似ている男性恐怖症の女性を狙うようになっていきます。

警察に密告したのは、曽野万智子です。曽野は、森沢を脅して1億円という大金を手に入れようとしていました。

森沢は別の目論見があり、警察への復讐を考えていたのです。妹を侮辱した刑事の言葉が忘れられなかった。万全の態勢のなか、ホテル内で犯行が起こして、警察の信頼を失墜させようとしていました。

マスカレードシリーズの魅力とは?

仮面というキーワードがこのシリーズの魅力。人は誰もが仮面をかぶっている。それが悪いわけではなくて、やさしく包み込むこともある。

そしてホテル客からだれが犯人かをハラハラしていけるのは、ミステリー感満載です!マスカレードシリーズならではの世界観を味わってください。

なお、東野圭吾のおすすめ作品について以下の記事で紹介しています!

lee578.hatenablog.com