たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

平家物語おすすめ本9選!アニメ原作から入門書まで解説

平家物語は、鎌倉時代の軍記として、エンタメ色の高い作品です。

平家の物語を中心にして、平清盛、源頼朝、源義経といった人物が躍動します。平家物語のおすすめ本について、小説や解説書を紹介していきます!

なお、同じ時代を舞台にしている大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に関連するおすすめ本は、こちらから。

lee578.hatenablog.com

平家物語あらすじ

そもそも『平家物語』とはどんな物語なのかを、かんたんに把握しておきましょう。

祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)の鐘の声、諸行無常(しょぎょうむじょう)の響きあり

物語冒頭の文章が示すとおり、大きな力を持ったとしてもいつかは滅びてしまうという、「あはれ」の悲しみを描いた作品です。

平家物語あらすじ1

平家が、保元の乱、平治の乱によって大きな力を持つようになったところから物語は描かれます。平清盛は太政大臣に。これは武士としては初めてのことでした。

平家物語あらすじ2

しかし平家の横暴に、世の中は不満を持っていて、皇族の以仁王(もちひとおう)が命じて、源頼朝が討伐することに。富士川の戦いで、頼朝は平家に勝利します。

平家物語あらすじ3

そこから源氏の勢いが止まらず、戦の天才・源義経の活躍によって、「一の谷の戦い」「屋島の戦い」「壇ノ浦の戦い」と次々に勝利を重ねていきます。平清盛の娘である徳子を残して、平家は滅んでしまうのです。源義経は、源頼朝に警戒されて殺されてしまいます。

小説・物語として読む平家物語

ここからは『平家物語』に関連したおすすめ本を紹介していきます。まずは、物語として平家物語のおもしろさを堪能できる作品をまとめてみました。

『平家物語 犬王の巻』古川日出男

劇場アニメーション映画『犬王』の原作。室町時代、世阿弥と人気を二分した能楽師・犬王が主人公となります。

これがまたテンポがよくておもしろい。映画は湯浅政明監督なので、相乗効果が生まれていると思います!

『平家物語』古川日出男 訳

小説家・古川日出男が挑む平家物語。アニメ『平家物語』の原作でもあります。

前書きからしてカッコいい。平家物語はさまざまな人が書いて、無駄な挿話も多い。だけど、著者はすべてを訳すことにしたそうです。

「私は現代の編集者になろうとはしなかった、ということだ。それは、なんというか、筋が違う」 「私は全身全霊でこの物語を訳した」

言葉の強度を感じる現代語訳。ぜひ一度読んでみてほしいです!

『吉村昭の平家物語』吉村昭

ものすごくわかりやすい。しかも、おもしろい。

吉村昭はノンフィクション作家として数々の名著を手掛ていますが、平家物語をここまでおもしろく描いているとは驚きでした。平家物語で外せないエピソードを中心にしているので、平家物語の全容をつかむことができます。物語としても楽しく読みたいなら、かなりおすすめです!

吉村昭は平家物語について、「この作品に感じられるのは、多彩な色である」と言っています。武具、建築物、自然が描かれて、登場人物の性格を巧みに見せていくのが、平家物語の魅力。本書にしっかり盛り込まれています。

『新・平家物語』吉川英治

全16巻の大作。吉川英治が描くからには、エンタメ満載で読みやすさがあります。文章のリズムのよさが魅力ですよね。1972年には大河ドラマになっている国民的作品です。

平家物語を学ぶ本【初級編】

『平家物語』を知るための入門書を紹介していきます。

『平家物語 ビギナーズ・クラシックス』

角川のビギナーズ・クラシックシリーズ。原文を損なわないようにしながら、とにかくわかりやすい、入門書として1冊選ぶなら、本書がおすすめです!

『100分de名著 平家物語』

NHKの「100分de名著」で紹介された平家物語のテキスト版。奢れる者を描いた平家物語は、貴族や平家が栄華を極めてから没落するまでを見せていくんですね。光の貴族、闇の武士という表現は納得感がありました。当時の時代背景を掴みやすくなります。解説は能楽師の安田登さん。

平家物語を学ぶ本【上級編】

原文付きの上級者向き、おすすめ本になります。もともとが声を出して読むことが前提の物語だけに、原文を読むことはぜひチャレンジしてほしいところです。

『新版 平家物語』

原文と現代語訳、語釈、解説までついています。全4巻で、しっかり平家物語を把握したいなら、おすすめです。

『平家物語』

岩波文庫版。原文をベースに注釈で補足する構成になっています。

『古典を読む平家物語』

平家物語の登場人物たちを掘り下げる構成です。清盛、義仲、義経、知盛といった一人一人の人間像を解説する構成。読みやすさがあります。

平家物語はエンタメ要素満載!

『平家物語』というと古典で難しそうというイメージがあるかもしれませんが、長く愛されたきた軍記もので、おもしろくないわけがありません!読んでみないのはもったいない。入門書や小説、そしてアニメ作品もありますので、ぜひ平家物語の世界を堪能してほしいと思います。