大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で中心的な存在となっているのが、源頼朝です。
大泉洋が演じていて、飄々としていながら、周りを信じきらずに怖さも見てる人物になっています。
のちに鎌倉幕府を開くことになる源頼朝にフォーカスしたおすすめ本を紹介していきます!
源頼朝おすすめ小説
まずは源頼朝が登場するおすすめ小説!山岡荘八や吉川英治といった歴史小説の大家が、源頼朝を描いています。
『源頼朝』山岡荘八
物語は、平治の乱からはじまります。
初陣した13歳の源頼朝。落ち武者となって吹雪の近江路をさまよい、父の義朝と兄の義平はこの世を去ります。かなり絶望的なはじまり。
ここから源氏を奮い立たせて、平清盛へ立ち向かっていく。そこから木曽義仲が登場するまでが描かれます。源頼朝が一度決心すると鉄壁の意志を持った人物として描かれています!
『源頼朝』吉川英治
とにかく読みやすい。なぜ義経を冷遇したのかなど、頼朝の人物像に迫っていきながら、圧倒的なエンタメ感満載で、物語は進んでいきます。
全2巻でコンパクトなのですが、物足りないという方は、ほぼ登場人物が同一の『新・平家物語』を手にとってみてもいいでしょう。
『源頼朝』咲村観
まったく権力がなかった源頼朝が、なぜ鎌倉幕府を開くにいたったのか?
父の姿を見て、武力だけでは天下がとれないと悟った頼朝は、天下の形勢をしっかり観察して、覇者へと登りつめていきます。源頼朝をめぐる人物たちの動きを丹念に描いた作品です!
源頼朝おすすめ本
ここからは源頼朝に関するおすすめ本を紹介していきます。
『源頼朝の世界』
鎌倉時代の歴史小説を手掛ける永井路子による、歴史エッセイ集。源頼朝、北条政子、北条義時、後白河法皇、後鳥羽院が登場します。この一冊で、鎌倉時代の歴史観が把握できるでしょう。
著者がぼろぼろになるまで読んだ「吾妻鏡」についても見解がまとまっていて、読み応えありです。
北条義時を日本史の中で最も興味ある一人としていて、しっかりフォーカスして描かれているので、『鎌倉殿の13人』の副読本としてもおすすめです!
『頼朝の武士団 』
かなりテンポがよくて、文章が口語調なので、わかりやすさがあります。時代がかった当事者同士の会話もはさまれるんですね。源頼朝について知りたい歴史初心者にもおすすめです!
『頼朝と義時 武家政権の誕生』
武士中心の社会を目指した源頼朝と北条義時。この2人の関係性に絞って、展開されていきます。著者は呉座勇一さん。いろいろと問題があったものの、論評としてはさすがの内容です。
『源氏将軍断絶 なぜ頼朝の血は三代で途絶えたか』
大河ドラマをより深く楽しむなら必読。なぜなら著者が『鎌倉殿の13人』の時代考証を担当しているんですね。源氏三代について、新解釈で迫っていきます。血なまぐさい鎌倉幕府の内実が明かされる!?
『源頼朝-武家政治の創始者』
源頼朝を武家政治の創始者として、その生涯をたどっていきます。
流人の挙兵はなぜ成功したのか?鎌倉幕府はいかなるプロセスを経て成立したのか?源頼朝の人生は、波乱万丈だったことが伝わってくる内容になっています。
『河内源氏 - 頼朝を生んだ武士本流』
武士政権を誕生させた源頼朝。その本流はどこにあるのか?を突き詰めたのが本書です。
源頼朝を輩出した河内源氏がそれまでどのような歴史を持っているのか。源頼朝の本質に迫っていきます。
『頼朝の天下草創 日本の歴史09』
講談社の日本の歴史シリーズ。源頼朝の情報が充実しているのはもちろん、5代執権・北条時頼までの歴史が網羅されています。
『鎌倉殿誕生〈新装版〉: 源頼朝』
源頼朝や鎌倉時代にまつわる話が、コラムでまとまっているため、かなり読みやすいです。中世研究の概要も把握できます。
『源頼朝』
源頼朝の政治家の部分をしっかり論評しているのが本書です。 血筋によって担がれたわけではなく、逆風のなか耐えに耐えた源頼朝が、どうやって存在感を増していったのかがわかります。
源頼朝おすすめ学習マンガ
最後に、源頼朝のおすすめしたい学習マンガをまとめていきます。
『源平武将伝 源頼朝』
マンガ歴史ものとしておすすめ!情報密度が高いとともに、マンガ作品として読みやすい。巻末に監修者の加来耕三さんによる解説があるのもおすすめポイントです。
『学研まんが人物日本史 源頼朝 源平の戦い』
安心の学研マンガ。源頼朝とともに、源義経の出番がかなり多めです。合戦シーンが盛り上がるからでしょうか。
源頼朝の信念は正義なのか悪なのか
源頼朝という人物像は、どうしても源義経を冷遇したことで、ネガティブにとられがちでした。しかし、武士の社会を確立したという点では、ものすごい政治手腕と人望があったはず。
今回紹介した小説やおすすめ本を読んで、源頼朝のイメージをアップデートしてみてください。