たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

【受賞作決定】2023年本屋大賞おすすめ本!ノミネート作品の魅力を解説

2023年の本屋大賞ノミネート作品が発表されています。今年も魅力的な作品がそろいました。

そして…受賞作が発表されました!

『汝、星のごとく』(凪良ゆう著)です!

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2023本屋大賞の受賞作は?

『汝、星のごとく』凪良ゆう(講談社)

瀬戸内海の島に育った高校生の暁海と、自由奔放な母の恋愛に振り回され、島に転校してきた櫂。ともに心に孤独と欠落を抱えた2人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していきます。

『流浪の月』で本屋大賞をとっている凪良ゆうによる最新作です。2022年後半の直木賞にも候補作となっていました。

今を一生懸命に生きている2人の決断と愛。この2人を好きになっていくことは間違いないと思います。情景描写もステキなんですよね。

いやぁ圧倒的な人気を見せつけての受賞です!本屋大賞は2回め。

2023年本屋大賞 ノミネート作品

ノミネート作品も力作ぞろいです!おおよその作品を読みましたので、それぞれの見どころやおすすめ度について紹介しています。

01『川のほとりに立つ者は』寺地はるな

カフェの店長は、ある日恋人が転落をして大怪我をして、意識が戻らないと連絡を受けます。一緒に転落した相手は元同級生。その2人は転落直前に、どうやらケンカをしていた ことがわかります。不信に思った主人公は、恋人の家に行き、3冊のノートを発見します。

普段から感じていた恋人への違和感の理由や、普通からずれている理由がどんどん明らかになっていきます。ミステリー要素がありながら、普通とはなにか?といった普遍的なテーマに切り込んでいます。

今となりに居る人をもっと大切にしたくなる。そんな物語を書きたい。著者の思いが伝わる内容になっています。

著者の寺地はるなさんは、『水を縫う』では手芸をしている男の子が主人公の物語を描き、第9回河合隼雄物語賞を受賞しています。

02『君のクイズ』小川哲

生放送のクイズ番組「Q1グランプリ」の決勝戦!クイズプレーヤーの三島玲央は、対戦相手が、まだ問題を読まれる前に正解して優勝するという不可解な事態に直面します。

その謎を追ううちに、決勝戦を1問ずつ振り返りながら、自らの記憶を掘り起こしていくと…!?鬼才が放つ唯一無二クイズ小説。

小川哲さんの『地図と拳』は、満州の架空の都市で起きた戦争を描いた傑作!第168回直木賞を受賞しています。

03『宙ごはん』町田そのこ

物心ついたときから、育てのママと暮らしてきた宙(そら)。小学校になってから生みの母と暮らすことになります。だが、生みの母はご飯を作らないし、授業参観にもこない人だった…。愛し方がわからない母、甘え方がわからない宙、2人には食卓の記憶だけがあった。

町田そのこさんは本屋大賞の常連ですよね。『52ヘルツのクジラたち』で本屋大賞を受賞しています。虐待をテーマにした母と子どもの物語。そして『星を掬う』は、母から捨てられた主人公が過去と決別して成長していく物語。

人間の深い部分に切り込むような小説を読みたいなら、町田そのこさんおすすめです!

04『月の立つ林で』青山美智子

元看護師、芸人、二輪自動車整備士、女子高生、アクセサリー作家。この5人の共通点は、タケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』を聴いていることでした。

どんなつながりが見えてくるのか、感動とともに、最後の仕掛けに驚きが待っています。

青山美智子さんは、『お探し物は図書室まで』『赤と青とエスキース』で3年連続で本屋大賞にノミネートしたことになります。

『お探し物は図書室まで』は、悩める登場人物たちが図書館で選書をしていく話。悩める心にマッチして老若男女だれでも刺さるのではないでしょうか。『赤と青とエスキース』は、1枚のエスキースを軸にして、30数年にわたって、絵に触れた人たちの話です。

05『方舟』夕木春央

地震によって、「方舟」という地下建築に閉じ込められた10人。このなかで殺人事件が起きてしまうことになります。ラストに衝撃が待っている作品!

いやぁ驚きでした。そうきたかと。もう最後のページまで目が話せません。極限状態のなかで、息を呑むようなやり取りが続きます。ネタバレ禁止です。

夕木春央さんは、2019年にデビューしたミステリー作家。

06『#真相をお話しします』結城真一郎

5つのミステリ短編集。本書のなかの「#拡散希望」はこんなあらすじになります。

子どもが4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れて、ユーチューバーになることにした。ある事件を境に、島の人たちがよそよそしくなっていきます。いったいなぜ?

「#拡散希望」は、第74回日本推理作家協会賞を受賞していて、ドンデン返しを味わえる作品。まずこの短編から読んでみてほしい!絶対にハマると思います。

ほかも現代を風刺しながら、ミステリー要素があるので、グイグイ読めます。20万部突破するのもうなずける。

結城真一郎さんは、2018年『名もなき星の哀歌』でデビュー。いま勢いのある作家さんです。

07『爆弾』呉勝浩

些細な傷害事件で連行された男性・スズキタゴサク。彼は、秋葉原で爆発が起こることを予言します。その直後、秋葉原のビルが爆発!

ここから3度、次の爆弾の予言を続けていて、警察はタゴサクとの会話から、事件の背景を読み解いていかないといけない状況になります。爆発を止めることはできるのか?

本作は、「このミステリーがすごい!」「ミステリが読みたい!」で1位となり、ミステリーランキングで2冠を達成しています。第167回直木賞でも候補作になっていて、おもしろさは折り紙付き。

08『光のとこにいてね』一穂ミチ

かのんとゆず、2人は運命な出会いを果たすものの、引き裂かれしまします。大人になった2人が再会して…

コロナの緊急事態のとき、桜が舞い散るのを見てこの物語が生まれたそうです。女性2人が会話していて、その過去をも紡いでいこうとしたといいます。

短編集『スモールワールズ』で、本屋大賞にノミネートしています。ハッピーエンディングでもバッドエンドでもない読み味がある短編集になります。

『砂嵐に星屑』はお仕事小説で、順風満帆に見える人でもたいへんさがあるし、自分も同じ。力をもらえる作品です。

9『ラブカは静かに弓を持つ』 安壇美緒

少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇します。その後大人になってから、ある音楽教室に潜入してほしいと依頼を受けます。

目的は著作権条の演奏権を侵害しているかどうか。武器はチェロ。潜入先は音楽教室。前代未聞のスパイ×音楽小説!

本作は第25回大藪春彦賞を受賞しています。

2023年本屋大賞 予想は?

『月の立つ林で』(青山美智子)を予想していました…。

かなり激戦だったのかなと思っています。本屋大賞常連となっている町田そのこさん(2021年大賞受賞、ノミネート3回目)、一穂ミチさん(ノミネート2回目)、青山美智子さん(ノミネート3回目)、凪良ゆうさん(2020年大賞受賞、ノミネート3回目)がそろっているんですね。

そこにミステリー系で話題になった作品が『爆弾』『方舟』『#真相をお話しします』といった作品があるわけです。さらに『地図と拳』で直木賞を受賞した小川哲の『君のクイズ』もノミネートされている。

青山美智子さんは、ここ最近の本屋大賞で2連続2位。書店員さんが今度こそ、青山美智子さんが受賞してほしいと思う可能性は高いのと、『月の立つ林で』は読んでいると健やかな気持ちになれる後味のいい作品。重めの作品がそろったなかでも、読み味がいいのはポイントが高いのではないかと思っています。

しかし、凪良さん強かった。今後の作品も期待が高まりますね。

本屋大賞を思う存分、楽しむ

本屋大賞は2月28日まで二次投票となり、その結果で、大賞作が決まりました!大賞作はもちろんのことノミネート作品も魅力的なので、この機会に気になった作品だけでも読んでみてほしいです!

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