たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

『変な絵』ネタバレ考察・あらすじ紹介!ラストの真相は?

『変な絵』は、雨穴によるミステリーホラー小説。

9枚の変な絵にまつわる謎がからみあっていき、最後にはゾクッとくる結末が待っています…。『変な絵』について、あらすじやネタバレを交えて解説していきます。

『変な絵』あらすじ(ネタバレなし)

ブログに投稿された「風に立つ女の絵」、消えた男の子が描いた「灰色に塗りつぶされたマンションの絵」、ある遺体が残した「震えた線で描かれた山並みの絵」。これらの絵に隠されたメッセージとは?

謎が解けたときに、すべての事件が1つにつながっていきます。9枚の謎の絵の見え方が、ガラリと変わる衝撃を味わうことができます。

『変な絵』目次

  • 第1章 風に立つ女の絵
  • 第2章 部屋を覆う、もやの絵
  • 第3章 美術教師 最期の絵
  • 最終章 文鳥を守る樹の絵

『変な絵』ネタバレ

ここからは『変な絵』のネタバレ解説をしていきます。

【変な絵】プロローグ

1枚の絵が紹介されます。心理学者の萩尾登美子は、この絵の違和感を語っていきます。そして、絵を描いた女の子の恐るべき性格や、今の様子を解説しました。

【変な絵】風に立つ女の絵

大学生の佐々木は、オカルトサークルの後輩・栗原からあるブログを紹介されます。

「七篠レン 心の日記」というブログでは、レンがユキという女性と結婚し、妊娠した幸せな日々がつづられていました。しかし2012年「このブログを更新するのを止めます」という内容が書かれていました。

そのブログには、ユキが描いた5つの絵があり、その秘密に気づいたことが理由。「あなたが犯してしまった罪がどれほどのものかはわからない」「あなたを許すことができない」「でもあなたを愛し続ける」と書かれていたのです。

3枚の絵を重ねると、横になった妊婦のお腹から、強引に赤ちゃんを取り出している老婆の姿が浮かび上がってきました。つまり、ユキは出産時に死を覚悟していたと、予測できるのです。しかし、まったくその真相は見えていないまま…。

【変な絵】部屋を覆う、もやの絵

6歳の今野優太は、3年前に父親がこの世を去りました。そのとき、優太が保育園である絵を描きます。マンション、優太、母親が描かれている内容で、マンションの一部だけ灰色で塗りつぶされていたのです。

そして優太は行方不明に…。残された母親の直美は、優太の絵から、実の母親のもとへ行ったと予測します。実の母は、すでに亡くなっていました。

直美は帰宅すると、日ごろ悩まされていたストーカーが侵入してきます。直美はストーカーをナイフで刺してしまうのです…。

【変な絵】美術教師 最期の絵

美術教師の三浦が、ある山で殺害されます。この事件を岩田と熊井という2人の記者が調べていきます。三浦は生前に1枚の絵を描いていました。その絵は、ダイイングメッセージのようでした。

記者は、容疑者を3人に絞ります。

  • 三浦の妻である直美
  • 美大時代の友人である豊川
  • 教え子の亀戸

岩田は、三浦が殺された山へ。寝袋に入り眠ったまま、岩田は拘束されて、惨殺されてしまうのです。

そして、場面は直美がストーカーを刺した場面へ。そのストーカーはなんと熊井でした。熊井は、直美が犯人だと追求し、三浦と岩田を殺した罪で、逮捕するのでした。

【変な絵】文鳥を守る樹の絵

直美は、11歳で母を殺害していました。その後、施設で育ちながら、直美は更生していきます。冒頭の絵は、直美が描いたもの。心理学者の萩尾も、更生していると考えていました。直美は助産師の資格をとって病院で働くようになります。そして三浦と結婚して、息子・武司を授かることになりました。

しかし、三浦は息子へ厳しすぎる教育をしてしまうことに。直美は息子を守るために、三浦を殺害します。さらに直美の罪が明らかに。息子の武司がブログ主のレンで、ユキを殺したのは直美でした。嫉妬に狂っての犯行だったのです。

【変な絵】エピローグ

心理学者の萩尾は、初めに出した結論が違うのではないかと、直美の絵を見返します。

文鳥を守っている枝がトゲトゲになっていて、それは誰かを守るために、彼女は尖ることができるということ。彼女は更生していたわけではなかったのです…。

すべての絵が真実につながる

各話だけでも謎の話としてゾクッとくるのに、すべての絵から1つの真実が浮かび上がる流れに、驚くこと間違いありません。

著者の雨穴さんは、『変な家』『変な家2』がありますが、どれも少しずつ謎が解き明かされる展開に、引き寄せられてしまいます。

『変な絵』、ゾクッとくる体験をしたいなら、かなりおすすめです!

lee578.hatenablog.com

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