たかゆうの読書日記

本が好きです。読んだ本を中心に、映画・マンガ・テレビなどについても言及できればと思います。

小説の書き方おすすめ本13選!書きあぐねている人に読んでほしい

小説をどう書けばいいのか?悩んでいる方は多いでしょう。小説の書き方が学べるおすすめ本を紹介していきます!

小説の書き方本【初級者向け】

初級者向けの本をまとめていきます。

『実践 小説教室』根本昌夫

豊富な作品や添削の事例とともに、書き出すための小説教室が展開されます。

自分がどうなのか、何を書きたいのか、これらを起点にする方法になります。たとえば、テーマを決めるときに、あなたの人生のなかの「分岐点」や「節目」「ターニングポイント」を考えてみることを推奨しています。

  • 発達的危機=思春期、入学、就職、恋愛、結婚、子供を持つ、子供の教育、退職、老い。
  • 状況的危機=病気、事故、自然災害、戦争、倒産、喪失、離別、転居、異文化生活、転職、死

また書くのが難しい生徒には、「家族」をテーマにしてみることにしているそうです。年代記でもいい、家族全体でもいい、1人でもいい。身近なところから。書き出してみたくなる要素が詰まっています。

『新・それでも作家になりたい人のためのブックガイド』

めった斬り!古今東西の小説を例に出して、評価しているのが気持ちいいです。

書き出しや会話といったテーマで、実際の人気小説を例題にして、どこが巧みなのかだけではなく、どこがダメなのか、辛らつに言及しています。

『一億三千万人のための小説教室』高橋源一郎

小説の書き方を事細かく教えるというより、小説という芸術表現の広さを示してくれる本。「小説家は小説の書き方を1人で見つけるしかない」というのが本書の結論なんですね。教えるという行為自体が、小説を書くことにそぐわない。

だから書く前についての話がほとんどを占めています。「あることを徹底して考えてみる。考えて、考えて、どうしようもなくなったら、まったく別の角度で考えてみる」といった具合に、ただの表層的なスキルではなく、小説の真髄に深くのめり込むことを教えてくれるんですね。

高橋源一郎が提示する小説の世界を、ぜひ味わってみてほしいです。

『小説の秘密をめぐる十二章』河野多恵子

品のよい小説の書き方本。「あらゆる類の作品に共通していえることだが、よい作品の導入には、その作品の気配の手応えが早くも感じられる」「よい文章は健康な脈拍を持つ」といった金言が散りばめられています。

小説の秘密を探求したい方におすすめです!

『書きあぐねている人のための小説入門』保坂和志

タイトルが秀逸ですよね。小説家志望で書きあぐねている人がどれだけいることか。そのための特効薬ではないが、足がかりになるのが本書です。

テクニックも教えてくれるものの、書くことへの本質に向き合うことができます。例えば、風景描写。そもそも3次元で広がる風景を、文字に押し込めるというのだから、それは難しいことをしているわけですね。

「三次元である風景を文字に変換する(押し込める)ということは、別な言い方をすると、視覚という同時に広がるものを1本の流れで読まれる文字という直列な形態に変換する」

書き出すための背中を、そっと押すのではなく、半ば強引にググッと押してくれる内容になっています。

『こころに効く小説の書き方』三田誠広

小説の基本となる純文学の書き方についてまとめています。小説を書く心がまえから、小説の終わり方までが網羅されています!

『物語の体操』大塚英志

ゲームやマンガのヒット作の原作を手掛ける著者による創作論。

ずばりだれでも物語はつくれるというスタンスでレクチャーがはじまります。物語はそれほどパターンはなくて、登場人物の役割やストーリーの流れで考えればいいわけです。

複数枚のカードを活用して、あっという間に物語のプロットが作れるので、一度は試してみてほしいです!

小説の書き方本【上級編】

小説の書き方本で、参考にするにはレベルが高いかも?と思える本を紹介します。

『アウトラインから書く小説再入門』

小説を書くにはアウトラインが重要という点で、しっかりノウハウに落とし込んでいる一冊になります。とにかくアウトラインについて具体的に事細かく記されている。以下の5つの流れで、アウトラインに落とし込んでいきます。

  1. プレミスをつくる:プロットとテーマを伝える1文
  2. ゼネラルスケッチ:全体の下書きを書く
  3. キャラクタースケッチ:登場人物たちをイメージする
  4. ユニークな世界:設定を詰める
  5. アウトライン:詳細をまとめる

穴埋め式のワーク本もありますので、あわせて読んでやってみることをおすすめします!

『ミステリーの書き方』

一線のミステリ作家たちが勢ぞろい!

アイデアの出し方、プロットの書き方、視点の選び方、文体について、セリフの書き方、トリックのしかけ方について、各作家が話しています。ミステリ作品を書くなら必読!!

小説の書き方本【海外作家編】

海外作家が指南している本をまとめていきます。

『ベストセラー小説の書き方』ディーン・R・クーンツ

アメリカのホラー小説家による「100万部くらいは売れる本」の書き方。

徹底しているのが、読者を喜ばせる(つまりはお金になる)小説をどう書けばいいのかというスタンスであること。タイトルの付け方、リズミカルな会話の書き方、舞台背景の作り込み方、キャラクターの立て方などが、各章で細かくフォローされています。かなり実践的!

プロット絶対主義なので、再現性のある小説を書きたい人は、ぜひ参考にしてみてほしいです。

『小説の技巧』デイヴィッド・ロッジ

イギリスのコミックノベル第一人者による本。書き出し、起点、名前、反復、象徴性、偶然、アイロニー、経由といったキーワードをピックしながら、小説の技巧に迫っていきます!とにかく密度が高いながらも、わかりやすい。

『若い小説家に宛てた手紙』バルガス・リョサ

中南米文学を代表する著者が、書簡形式で小説の書き方を解き明かしていきます!文体、時間、入れ子箱といったそれぞれのテーマに即していくため、かなり実践度が高いです。

ガルシア・マルケス、ヘミングウェイ、カフカといった古典的名作を紹介しながら、創作意欲が湧き上がる内容になっています!かなりおすすめ。

『小説作法』スティーブン・キング

言わずとしれた人気ホラー作家による小説の書き方本。スティーブン・キングの自伝的パートと、創作技術の解説パートの2つで構成されています。

創作技術は、会話の書き方、比喩の使い方、推敲の仕方といった基礎的な技術が、自作を例にして解説されていきます。エンタメ全開の読者を飽きさせないスピード感のある展開を、推奨する記述が多い印象。

自伝的パートでは、若いころから短編小説を投稿するもののまったく芽が出なかった話や、デビュー作が初めて売れた日のこと、ヒット作量産の裏側で薬物依存だったことが、赤裸々に語られます。自伝すらもエンタメ小説のように読みやすいのはさすがですね。