東野圭吾の『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』!
新たなシリーズ作品として注目を集めています。とにかく探偵役が魅力あるんですね。『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』について、あらすじ・ネタバレ紹介をしていこうと思います。
『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』あらすじ
名もなき町、どこにでもあるありふれた観光の町で起きた殺人事件。
かつての同級生が描いた大ヒット漫画で町おこしをしようと計画しますが、コロナの影響で計画は頓挫してしまいます。主人公の神尾真世は、結婚を控えている最中に、ある殺人事件に巻き込まれて、町に舞い戻ることになります。真世は、マジシャンで叔父の神尾武史と共に、真相を明らかにしようと決意します。
この武史は、マジシャンらしからぬワイルドな性格で、口八丁手八丁の詐欺師のような手腕を持っているんですね。彼は証拠を掴むためにさまざまな手段を駆使し、事件の真相を追求していく。
「俺は自分の手で警察より先に犯人を捕まえたいと思っている」
魅力ある探偵役とともに、意外な真相が明かされていきます。
『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』登場人物
- 神尾真世:主人公。建築会社勤務。
- 神尾武史:神尾英一の弟。サムライゼンという名前で、アメリカでマジシャンとして活躍していたことがある。
- 神尾英一:元中学校の教師。真世の父。武史の兄。
- 中条健太:真世の婚約者。建築会社勤務。
- 針宮克樹:マンガ「幻脳ラビリンス」の作者。
- 津久見:真世の同級生で釘宮の親友。中学時代に白血病で死去。
- 桃子:真世の中学の同級生。
- 良輔:桃子の夫。桃子より年上だが、英一の教え子でもある。
- 原口浩平:桃子と同級生で英一の教え子。酒屋を営む。
- 柏木広大:地元の建築会社の副社長。「幻脳ラビリンス」を利用して町おこしを計画していた。
- 九重梨々香:真世の同級生。大手広告代理店勤務。 釘宮のマネージャーとして動く。
- 杉下:真世の同級生。IT企業経営者。
- 牧原悟:真世の同級生。 地方銀行の行員。
- 沼川:真世の同級生。 地元で居酒屋経営している。
- 森脇敦美:英一の教え子。父親は有名な実業家。
『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』ネタバレ解説
ここからは、『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』についてネタバレで解説していきます。
起︰殺人事件が起こる
さびれた町で、ある殺人事件が起こります。殺されたのは元教師の神尾英一。殺害方法は、タオルによる絞殺でした。
そして英一の娘である真世は、結婚を控えていました。しかし、父親の訃報によって、地元へ帰ることになります。
同時に地元では同窓会が計画されていたため、続々と同級生が集まっていました。その誰もがあやしい動きを見せていることがわかってきます。
承:探偵あらわる!
探偵役になるのは、マジシャンでもある神尾武史。被害者の英一の弟でもあります。
かなり人を食ったような大胆なはったりで、真相を暴いていきます。警察をもあざむいて、スマホの画面や履歴を見ることなんて朝飯前。さまざまな情報を集めていきます。
この武史と真世とのタッグが、事件の真相を追跡していきます。
転:かつての同級生が容疑者!
事件の裏側には、かつての同級生たちの姿がチラホラ見えてきます。全員が容疑者。
そしてマンガ「幻脳ラビリンス」を町おこしに利用として、いろいろな計画があったことがわかってきます。時系列としては以下になります。
- 2月24日(水) 桃子、英一の家へ。津久見直也の追悼会で英一はサプライズを予定していた
- 2月25日(木) ココリカと釘宮、英一の家へ。柏木対策
- 2月27日(土) 杉下が英一に挨拶の電話。東京のホテルについて英一から尋ねられる
- 3月1日(月) 同窓会の打ち合わせ(桃子、杉下、牧原、沼川)
- 3月6日(土) 英一、上京して午後六時に東京キングダムホテルに行く。午後11時帰宅、直後に殺害される
- 3月7日(日) 原口が英一に何度も電話するがつながらず
- 3月8日(月) 原口が英一の死体発見
結:黒い魔術師が明かした真相…
武史が、関係者を集めて、真相を究明することに。はじめは亡くなった兄の姿に扮装するんですね。兄と同級生たちとのやりとりを再現してほしいと依頼していきます。
そこから、上着を脱いで、真っ黒なシャツ、スラックスも黒、全身が黒ずくめになるんですね。
「真相が明かされるときがきた」
これが黒い魔術師としての見せ場になります!
牧原は英一の遺影を見れなかったとして、問い詰められます。森脇が資産をまとめて1億円を集めていた。慈善団体に寄付したいと言っていて、「幻ラビ・ハウス」への出資を持ちかけたんですね。しかし、森脇はコロナで死亡。「幻ラビ・ハウス」の計画もとん挫してしまいます。「幻脳ラビリンス」を利用しようとしてうまくいかなかっただけ。
九重は、杉下と不倫関係だったことが発覚。釘宮からの好意を利用していただけで、そのあたりが露骨だったことがわかりました。
そして英一を殺害したのは…
針宮克樹だったことが判明します。
「幻脳ラビリンス」のアイデアは、津久見のものだったんですね。英一は、ふたりの感動話だとして同窓会で明かそうとしたんです。そのときは説得できたものの、釘宮はおびえてしまう。
後日、英一の部屋にあった津久見の手紙を燃やそうとするものの、見つかってしまい、殺害してしまったんですね。
東野圭吾の新たなシリーズ作品!
『ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人』は、コロナ設定もありながら、しっかりミステリー作品になっている作品。
そしてなにより東野圭吾の新たなシリーズ作になり、もちろん映像化もされるでしょう。探偵役の武史が魅力的ですので、ぜひぜひチェックしてほしいです!