映画『ブルーピリオド』ネタバレ!実写化ひどい?マンガの何巻までか解説(あらすじ感想)

映画『ブルーピリオド』は、人気マンガ原作の実写化で、眞栄田郷敦が主演を務めます。

『ブルーピリオド』について、ネタバレであらすじを解説していきます!

映画『ブルーピリオド』原作マンガは?

映画『ブルーピリオド』の原作は、山口つばさによる同名マンガになります。

マンガ『ブルーピリオド』は月刊「アフタヌーン」で連載されており、単行本は15巻まで刊行されています。

「マンガ大賞2020」受賞した傑作マンガです。

映画『ブルーピリオド』あらすじ

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高校生の矢口八虎(眞栄田郷敦)が、国内最難関の美術大学への受験を決意。ライバルとなる天才たちに対して、八虎はひたすら努力で立ち向かいます。

映画『ブルーピリオド』漫画のどこまで(何巻まで)?

漫画『ブルーピリオド』は、東京藝大の入学前と入学後に分けられます。

・1巻~6巻 東京藝大受験編
・7巻~15巻 東京藝大編

映画ブルーピリオドは東京藝大編の1巻~6巻が描かれます。

映画『ブルーピリオド』ネタバレ解説

ここから『ブルーピリオド』をネタバレありで、徹底解説していきます!

ネタバレ①映画の結末は?

矢口八虎(眞栄田郷敦)は、世渡り上手なヤンキーでしたが、美術室で偶然見つけた絵に運命を感じます。その出会いをきっかけに、東京藝大を目指すことを決意します。両親を説得して、予備校で天才少年・高橋世田介(板垣李光人)と出会います。

八虎は「俺の絵で全員殺す」という強い気持ちで、天才を凌駕するほどの努力をしようとします。

東京藝大の1次試験ではトラブルがあったものの、八虎はなんとか通過。2次試験の2日前、八虎は友人の鮎川龍二(高橋文哉)と海へ。

2次試験では「ヌード」をテーマにした油絵を描くことになります。八虎は体調不良でしたが、「情けない姿」というテーマで絵を完成させます。その絵によって、八虎は見事に東京藝大に合格します。

ネタバレ②実写はひどい?

マンガの実写化は難易度が高いものの、映画『ブルーピリオド』は、まずは美術や絵画の細かいディテールは気合いが入っていました。実写化で押さえないといけないポイントを制作陣がわかっている感じで、原作内の作品が見れることの喜びがあります。

これは原作マンガの制作方法も、映像化に適していたんだと思います。マンガでは、登場人物の作品は、実際に描いてからマンガに落とし込む手法をとっているんですね。

ちなみにブルーピリオドは展示会もありましたが、そのときにも実際に描いた作品が勢ぞろいしていました。

レポート記事はこちら! lee578.hatenablog.com

ネタバレ③省略されすぎ?

ちょっと物足りなかったのは、さすがに省略場面が多すぎたこと。マンガ6巻を映画にしているので、これは仕方ないのですが、省略によりマイナス点が目立ちました。

八虎が絵をうまくなっていく過程が唐突だったり、登場人物の心理描写が駆け足だったりしたかなと。

特に高橋世田介のクセのある人物の背景や、鮎川龍二がなにに悩んでいたのかは、描き足りなかったと思います。

原作マンガはかなり丹念に描いているのもあり、そのギャップがあった印象です。

ネタバレ④アツい場面は?

八虎が絵が好きだと思い立つ場面は、原作マンガと同様にアツかったです。

「俺の心臓は今動き出したみたいだ」。

ここが本作が自分自身の好奇心を突き詰めるマンガなんだと思わさせてくれるんですよね。アートものだけど、このときの八虎の心理描写はとても普遍的なもの。

さらに八虎の「俺の絵で全員殺す」というセリフですよね。美術のライバルたちがひしめく中で、八虎の決意・狂気を感じることができる場面。映画では、八虎を演じた眞栄田郷敦のスゴみが相まって、鬼気迫る描写になっていました。

映画『ブルーピリオド』登場人物

  • 矢口八虎(眞栄田郷敦):東京藝術大学を目指す
  • ユカちゃん/鮎川龍二(高橋文哉):女性的な容姿の同級生
  • 高橋世田介(板垣李光人):天才青年
  • 森まる(桜田ひより):八虎の一つ上の先輩
  • 佐伯昌子(薬師丸ひろ子):高校の美術教師

映画『ブルーピリオド』スタッフ

  • 監督:萩原健太郎
  • 原作:山口つばさ『ブルーピリオド』(講談社)
  • 脚本:吉田玲子
  • 音楽:小島裕規“Yaffle”
  • 製作:映画「ブルーピリオド」製作委員会
  • 制作プロダクション:C&Iエンタテインメント

映画『ブルーピリオド』データ

  • 2024年製作/115分/日本
  • 配給:ワーナー・ブラザース
  • 劇場公開日:2024年8月9日

『ブルーピリオド』1〜6巻 名言・名セリフ

マンガ『ブルーピリオド』の名言・名セリフになります。

『ブルーピリオド』1巻 名言・名セリフ

  • 「クリアするためのコストは人より多くかけている。そしてそれが結果になっているだけのことなのにみんなが俺を褒めるたびに虚しくなるこの手ごたえのなさはなんなんだ」(矢口八虎)
  • 「私はね、世間的な価値じゃなくて君にとって価値のあるものが知りたいんです」(佐伯昌子)
  • 「美術はおもしろいですよ。自分に素直な人ほど強い。文字じゃない言語だから」(佐伯昌子)
  • 「これは俺の感動じゃない」(矢口八虎)
  • 「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」(森まる)
  • 「そのとき生まれて初めてちゃんと人と会話できた気がした」(矢口八虎)
  • 「お絵描きって趣味でいいんじゃないの?ガチでやる意味ある?」(矢口八虎)
  • 「作った本人が好きで楽しんで情熱をこめて作ったものってね、それを見た人も楽しくなっちゃうものなんですよ」(佐伯昌子)
  • 「「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ。頑張れない子は好きなことがない子でしたよ。好きなことに人生の一番大きなウエイトを置くのって普通のことじゃないでしょうか?」(佐伯昌子)
  • 「好きなことをする努力家はね、最強なんですよ」(佐伯昌子)
  • 「俺の心臓は今動き出したみたいだ」(矢口八虎)
  • 「冷静になんかなんなよ。今は描いた枚数と上手くなった文学だけが俺の自信だ」(矢口八虎)
  • 「本で読んでもわからないから面白いんだ理論は。感性の後ろにできる道だ」(矢口八虎)

『ブルーピリオド』2巻 名言・名セリフ

  • 「このニケは知恵と戦いと勝利の女神。矢口くんがうまくいきますように」(森まる)
  • 「この人本当に家族のことしか考えていないないんだって。絵を描いてなかったらこんなことにも気づけなかった、ごめんねでもおれ藝大に行きたい」(矢口八虎)
  • 「俺の好きだけが俺を守ってくれるんじゃないのかなあ…!」(矢口八虎)
  • 「すべての名画はね構図がいいの」(大葉)
  • 「なんでも持ってる人がこっちくんなよ。美術じゃなくてもよかったクセに…!」(高橋世田介)
  • 「俺の絵にもっと説得力があったら、あんなこと言われなかったんだから」(矢口八虎)
  • 「俺の絵で全員殺すそのためならなんでもする」(矢口八虎)

『ブルーピリオド』3巻 名言・名セリフ

  • 「矢口にとって縁は糸の形してた?」(大葉)
  • 「先輩は言いたいことは変えてない。手段を変えてたんだ…!」(矢口八虎)
  • 「俺はずーっと手段で手段の絵を描いていたのか」(矢口八虎)
  • 「俺にとって俺にとって縁は…金属みたいな形かもしれない」(矢口八虎)
  • 「もはやよくわかんねーけど、これがいいのか悪いのかでも少しだけ自分の絵に飲み込まれそうなソレを感じた気がした」(矢口八虎)
  • 「好きなことをやるって、いつでも楽しいって意味じゃないよ」(矢口八虎)
  • 「やばマジで嬉しい。俺はただの人だ。でもこの天才にとって俺は特別なんだああ、頑張ろう!」(矢口八虎)

『ブルーピリオド』4巻 名言・名セリフ

  • 「1位の絵じゃなくて矢口の「最高の絵」を目指さなきゃね」(大葉)
  • 「ないの?あの人さえいなければ、もっと楽しく描けたのにって思うこと」(桑名マキ)
  • 「矢口に足りてないのは「自分勝手力」よ」(大葉)
  • 「俺が菓子作りって笑えるだろ。でも矢虎がよ、自分のことやりたいこと選んでて、俺もやってみたいと思っちまったんだよなあ」(恋ケ窪)
  • 「楽しんで作って、それ否定されたら、立てなくなりそうで怖いんだよ…」(矢口八虎)
  • 「なあ八虎お前は知らねえかもしれねえが、俺たちはみんなおまえの話を聞くのが好きなんだぜ」(恋ケ窪)
  • 「話術を本音で隠すんじゃなくて、本音を技術で武装したらいいんじゃないか?」(矢口八虎)
  • 「俺が描く絵はおれが好きな絵にしよう!」(矢口八虎)
  • 「同時に存在するんだよ、絶対受かりたいって気持ちとさ、全員殺したいって気持ちとさ、合格なんてどうでもいいから、この絵を描かせてくださいって気持ちが」(矢口八虎)

『ブルーピリオド』5巻 名言・名セリフ

  • 「絵としてみると10人が10人面白いとおもう場所が違うんだ…」(矢口八虎)
  • 「湿度の高い赤がいいのかおどろおどろしい赤がいいのかみずみずしい赤がいいのかどんな赤がいい?俺は何を赤で表現したいんだ?」(矢口八虎)
  • 「正しい場所からしか話せないなら、アタシがお前に話すことは何もないね…!」(鮎川龍二)
  • 「俺の体、毛の生えた薄手のゴムみたいで、俺が想像してたより情けないな…」(矢口八虎)
  • 「こいつとこんな話するなんてどうかしてる。きっと海の青さに染まってたからだ。多分あいつの体も」(矢口八虎)

『ブルーピリオド』6巻 名言・名セリフ

  • 「俺にとっての裸は情けなくて頼りない。服を着るのは裸を隠そうとするうしろめたい行為で、この絵は俺の目を通して見た俺のせかいなんだ」(矢口八虎)
  • 「違うな、矢口さんはごはんたべたりあうんこしたりするのを褒められたらソレに自信持てるの?おれはムリなんだけど」(高橋世田介)
  • 「気づいてくれた…!俺が一番考えてたところ…!本当にヤバい、ホントにうれしい、ヤバいヤバい、うれしい…!」(矢口八虎)
  • 「この世界の誰より、俺は俺の絵に期待してる」(矢口八虎)
  • 「後悔はないですよ、反省は死ぬほどあるけど」(矢口八虎)
  • 「作品は諦めたらそこで完成よ」(大葉)

『ブルーピリオド展』レポート

blueperiod-ten.jp

  • 展示名:ブルーピリオド展 ~アートって才能か?~
  • 場所:東京・天王洲の寺田倉庫G1ビル
  • 期間:6月18日(土)~9月27日(火)

寺田倉庫G1ビルで開催されていたブルーピリオド展のレポートです。

まずはピカソの「アヴィニョンの娘たち」の複製画が展示されています。八虎がピカソの絵のうまさがわからないわけですが、たしかにヘンテコです。なお写真撮影は不可でした。

そして森先輩の絵が!

八虎が美術の世界へ踏み出すきっかけになった一枚です。肌が緑で描かれているのが特徴。じっと見てしまいますね。

きた!八虎のイメージ課題のときの作品です。

縁をテーマにしたときに、はじめは糸を描くわけですが、どうにも違う。ここから尖った針のイメージが生まれ、溶鉱炉のようなモチーフにたどり着きます。

さらに自画像やヌードの作品も。

美大受験生が描いた自画像がずらっと並んでいます。

ここで、作中で天才とされる高橋世田介の自画像は迫力があって、すばらしかったです。「すげぇ世田介」と思ったのですが、その瞬間、あれいま世田介がこの世界に存在していると思えていた?と不思議な感覚がありました。

この展示会の魅力は、作中で描かれる作品が目の前に存在すること。かなり独特な体験を味わうことができました。